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21.10.12
地域が抱える課題の発見とその解決に取り組む「地域フィールドワーク」を県内3地域で実施しました
「地域フィールドワーク」は、フレッシュマンコアの必修科目です。地域に貢献できる人材の持つべき素養として、地域(東北、宮城等)の自然・歴史・文化等を学びながら、地域社会の将来に対する使命感を涵養し、宮城大学におけるこれからの主体的な学びに向けた動機づけとなることを目標としています。令和3年度は、宮城県内の大崎市、女川町、亘理町の3つの市町をフィールドとして、自治体の全面的な協力のもと、本科目のメインプログラムである現地フィールドワークを行い、公共施設、企業、住民団体、NPO等を訪問し、地域の魅力や課題を調査しました。
地域フィールドワークは全6回の日程に分かれ、講義やグループ演習、フィールドワーク等を実施しました。
1日目/ガイダンス/地域協働学習と自己の学び(4月14日)
初回は、公立大学である宮城大学における地域フィールドワークの位置づけや意義を確認し、地域へ訪問する際の心構えやマナー等、フィールドワークのリテラシーを習得しました。また、クラス分けを行い、学生と教員の顔合わせを行いました。
2日目/担当自治体について/地域特性の把握と事前学習への取り組みをふりかえる(4月21日)
各クラスに分かれて、訪問先の自治体職員の方から地域の特徴や見所等をご紹介頂きました。また、学生からは事前課題として調べてきた自治体に関する情報をもとに質問があり、自治体職員の方に丁寧に解説をして頂きました。その後、学生は自己の学習の進捗状況を報告・共有することで、地域に関する知識や理解をさらに深めました。
3日目/学群と地域の関連性について/フィールドワークテーマの設定(5月12日)
フィールドワーク当日に、現地の方にお話を聞くことを想定したヒアリングのロールプレイを、3名1組で実施しました。質問者(学生役)、応答者(ヒアリング対象役)、及び観察者(やりとりについてのフィードバック役)の役に分かれ、それぞれの立場の視点からの気づきを共有しながら、どのような質問が適切か等を検討しました。また、次回の授業で実施するフィールドワークに向けて、学生は個人ごとにテーマを設定し、調査課題等を確認しました。
4日目/フィールドワーク(6月9日・16日)※感染症対策のため日程を分けて実施
クラス単位で、大崎市、女川町、亘理町のいずれかの自治体を訪問し、フィールドワークを実施しました。学生は地域を自分の足で実際に歩くことで、インターネットや文献の事前調査では知ることができなかった、地域の特徴や課題等を確認することができ、様々な発見がありました。フィールドワーク後は、グループごとに調査を振り返り、フィールドワークで得た成果や課題等を確認・共有しました。
フィールドワークについて
度重なる水害と地域のレジリエンスを学ぶ/大崎市鹿島台
大崎市鹿島台地区は、度重なる水害への対策と品井沼の干拓に、江戸時代から長年にわたり取り組んできました。その品井沼干拓において尽力された鎌田三之助氏の名を冠した鎌田記念ホール内の展示室にて、歴史研究会の語り部の方々による講話を聞きました。また、令和元年度台風19号については、浸水被害のあった地域を展望できる場所にて、災害対応に当たられた行政職員の説明を受けました。マルセンファームでは、特産のデリシャストマトを栽培しているハウスを訪問し、栽培・生産に加えて加工・ブランディングなど、六次産業化に関しても学ぶ機会となりました。
災害復興とその先のまちづくりを学ぶ/女川町
女川町では、復興指針である「持続可能な町・コンパクトシティ」の実現に向け人口減少を見据えたエリアマネジメントに取り組んでいます。商業施設が立ち並ぶシーパルピア女川・地元市場ハマテラスを中心とした駅前の散策や、震災遺構である旧女川交番の見学を通し、東日本大震災からの復興プロセスや、まちの再生に込められた思いに触れ、災害復興とその先のまちづくりの展望について学ぶ機会となりました。
災害復興と地域の多様な魅力を学ぶ/亘理町
亘理町では「亘理らしさ」を掲げ、町民が主役となる復興まちづくりを推進しています。防災公園として新たに再生された鳥の海公園のある荒浜地区にて、地域おこし協力隊員によるベイエリアの魅力の発信に関する講話や、目の前に広がる太平洋で海苔養殖を営む生産者の方による一次産業の実態についての講話を聞きました。加えて、産地直売施設や飲食店などがある商店街や、リニューアルしたわたり温泉鳥の海など観光施設の散策を行いました。復興まちづくり、一次産業、観光業、災害対策など、荒浜地区が持つ多くの要素を学生が自らの足で散策することで、地域が持つ多様性に触れるフィールドワークの醍醐味を実感しました。
5日目/「フィールドワークのまとめ」作成/共有に向けたブラッシュアップ(6月23日)
前回の授業で実施した, フィールドワークを含む地域調査の背景、目的、調査結果、分析、及び分析結果をまとめた成果物を、各学生がパワーポイントを使用して作成しました。途中、3~4名1組のグループに分かれて、作成中の成果物の内容を各自が中間報告し、相互にレビューし合いました。クラスメイトからのコメントやアドバイスを受けて、各自でさらに成果物をブラッシュアップし、作成を進めました。
6日目/提案の手法とスキルについて/「フィールドワークのまとめ」共有(7月7日)
5~6名1組のグループに分かれて、各自が前回の授業で作成した成果物を最終報告し、相互にレビューし合いました。その後、参加いただいた自治体関係者に対して、クラスの代表者からフィールドワークの成果を報告しました。学生のプレゼンテーションに対して自治体関係者から講評を受け、学生は地域の魅力やフィールドワークの手法等について新たな気付きを得ることができました。
本年度の「地域フィールドワーク」の開講にあたり、大崎市、女川町、亘理町の各自治体職員の皆様、並びに関係者の皆様をはじめ、多くの方々に御協力、御尽力を頂きました。この場をお借りして、心より厚く御礼申し上げます。
開催概要
日付 | 講義題目 | 講義概要 |
---|---|---|
4月14日 | ガイダンス | 地域協働学習と自己の学び |
4月21日 | 担当自治体について | 地域特性の把握と事前学習への取り組み |
5月12日 | フィールドワークのテーマ設定 | 学群と地域の関連性について |
6月9・16日 | 現地FW | 大崎市・女川町・亘理町に分かれてのフィールドワーク |
6月23日 | フィールドワークのまとめ作成 | 発表に向けたブラッシュアップ |
7月7日 | フィールドワークのまとめ発表 | フィールドワークのまとめの自治体職員へ発表 |
お問い合わせ
公立大学法人 宮城大学 復興人材育成プログラム推進室(大和キャンパス)
TEL:022-377-8659 / FAX:022-377-8669