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新着情報

21.12.24

遺伝疾患・がん・精神疾患・育児困難・DV・LGBT・感染症・認知症など“家族の苦悩”について演劇制作を通して学ぶ/家族看護論/看護学群

看護学群2年生の必修科目「家族看護論」は大きく3つフェーズに分かれています。1つめは、家族看護学の動向や意義、家族看護の基本理論などを学ぶ「概論編」、2つめは、実践家から家族への実際の支援アプローチの講義を受ける「実践編」、3つめは、グループワークによる“家族の苦悩”の演劇制作と発表会の「体験編」です。今回、この「体験編」として、学生たちによる演劇の発表会を2021年12月13日・20日の2回にわたって行いました。

現代における“家族の苦悩”
演劇制作を通し他者に伝える側に立つことで、8つのテーマの理解を深める

現代の”家族の苦悩“について、学生たちは次の8つのテーマから選択します。①遺伝疾患と家族/②がんと家族/③精神疾患と家族/④育児困難と家族/⑤DVと家族/⑥LGBTと家族/⑦感染症と家族/⑧認知症と家族。6~7名の学生ごとに計16グループに分かれ、合計4回のグループワークを通して演劇を仕上げていきます。本番は、グループあたり7分の持ち時間が与えられます。選択したテーマの家族が「最も苦悩となる場面」を設定した劇を作ることが課題です。

演劇制作は初めての学生がほとんどですが、演劇中の息の合わせ方、目での合図など、チームが一丸となって初めて演劇が成功するため、主体的に取り組むことができ、難しい家族問題を楽しく学ぶことができます。また、家族や患者などの登場人物の役になりきる体験を通して、相手の立場になる訓練にもなります。伝える側に立つことでテーマに対する理解を深めることがこの授業のねらいです。

合計16回の演劇、観る側の学生も真剣に参加

観客側の学生も、全員が各グループの演劇に対しコメントを書きます。演劇を制作し、また他のグループの演劇を鑑賞することで、“家族の苦悩”8つのテーマを網羅します。今回は以下のようなコメントが寄せられました。
「ストーリー設定がとてもリアルで感情移入してしまい、思わず涙が出た。特に妻役のセリフがとても良かった」
「悩んでいる家族の苦悩が伝わった。本人も辛そうであったし、家族も精神をすり減らしているのが通じた」
「役柄の気持ちがひしひしと感じられ、見ているこちら側も辛かった」
「私が看護師だったらどうすればいいのか深く考える機会となった」

指導教員である塩野教授は「学生は絶妙なセリフのシナリオを作り上げ、心を打つ演技に挑みます。家族看護論では長年、この演劇制作と発表会をしていて学生たちの力には毎年驚かされています。心が張り裂けそうになったりする場面も多々ありました。また、劇タイトルがその家族の苦悩そのものを表していて、どのグループもそこに大変工夫を凝らしています。今年はテーマのひとつに『感染症と家族』を取り入れ、コロナ禍の家族の苦悩への理解も深めたところが新しいポイントだと思います。」とコメントを寄せました。

家族看護論

看護学群の2年生を対象とした後期開講科目です。家族看護論では、家族と現代社会、家族看護学の意義・動向、基盤理論、内外の家族アセスメントモデルなどの基本的な知識を習得し、家族に対する看護者の役割を学習します。また家族支援に関わる専門家の実践アプローチの講義から、現代家族の多様性を踏まえた看護のあり方の理解を深めます。さらにグループ学習では、選択したテーマ特有の家族の苦悩について学習し、演劇を通じて学生同士で教授しあい、家族看護の必要性について理解を深めます。

指導教員プロフィール

左:小松講師、右:塩野教授

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