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25.08.01

7/25宮城大学地域創生シンポジウム「多様な主体による地域創生デザインのすすめ」を開催しました

宮城大学では、多様化する社会や価値観の中で、あらゆる地域課題の解決に向けた事業創造や政策立案、それらの根拠となる科学的分析手法を学び、社会に貢献することができる人材を育成しています。これからの地域創生の在り方について「地方創生に求められるもの」「人口急降下社会での地方創生の主体」「企業における地方創生の取り組み」などを論点として、これら課題への理解を深めるシンポジウム「多様な主体による地域創生デザインのすすめ」を開催いたしますのでご案内いたします。

多様な主体による地域創生デザインのすすめ
これからの地域創生の在り方について5名から話題提供と体験型イベントを実施

今回のイベントでは、前半に「地方創生に求められるもの」「人口急降下社会での地方創生の主体」「企業における地方創生の取り組み」について発表するシンポジウムを行い、後半では宮城大学における学生たちによる自然共生サイトに認定・登録された大和キャンパス構内の森を歩く自然観察ツアーを行うなど体験型イベントを実施。生物多様性に興味を持つ一般の方や、教育関係者など約30名が参加しました。シンポジウムで提供された話題の概要と関係機関からのコメントは下記のとおりです。

森毅彦:(公財)不動産流通推進センター常務理事

【地方創生とは何なのか?何を目指すべきか?】:地方創生で大切なのは「しごと」「なりわい」をいかに生み出すか。東京や大都市はもはや限界。「失われた30年」を生み出した旧弊を打破し、地域の資源を活かしてもっともっと「弾をいっぱい打つ」(挑戦する)ことが重要。地域によっては、人口減少・高齢化を理由に、弾を打たなくなっている、打てなくなっている、考えなくなっている、行動しなくなっている、「ないない尽くし」が最大の課題。インドの経営学者サラスバシーが提唱するエフェクチュエーションのアプローチを地方創生に導入し、地域一人ひとりが主体的に行動し、多様な主体と連携することで、変化に適応し、新たな付加価値を生み出し続ける地域を形成していくべき。

川上敏寛:内閣官房参事官

【地域創生にむけたヒント】:地域活性化のキーワードはクリエイティブ。クリエイティブな人材が集まるよう、多様性があり寛容で開放的な街づくりを目指すとともに、今治タオルの成功事例のように外部の目線を活用することで自分では気づかない魅力を活かしていくことが重要。また、近年急増するインバウンド客を利用しない手はない。訪日外国人の関心の高いアート、コンテンツ、食といった地域の文化的な魅力を発信し、インバウンド客を地域に呼び込むことが効果的。大阪・関西万博も、世界中の国々の人々と思いもよらぬ出会いや発見ができる場であり、全国の地方がこれをうまく活用して地域活性化につなげていくという発想が重要。

伊藤直樹:(株)ANA 総合研究所主席研究員

【ANA総研が取り組む地方創生】:少子化/人口減の情勢が続く中で、地域が如何に進化する/できるのかは、結局は地域の方々の想いと主体性によるところがとても大きい。自分達の町をこれからどんな町にしたいのか、地域の方々皆が自分事として考えたポリシーとビジョンを持った町は強い考動が現われ確かに成長している。地域主体性強化と、外部有識者活用体制(外部有識者自身の役割の自覚含む)、この2軸を有効に相互作用させ合うことが当面肝要である。尚、地域にはまだまだ気付いていない未開拓の競争力資源が眠っている可能性が大。地域事業が世界と交流し飛躍的に活性化することを目指した挑戦、行政や都市部企業によるその後押しも重要な課題である。

小田原大悟:丸紅(株)グローバル総括部アジア・大洋州課⾧

【地域創生を考える】:地域創生の取り組みも収益性がなければ持続しない。時代に即した顧客ニーズに応えるべく、常にビジネスモデルを変えてきた総合商社も、事業に取り組むにあたっては必ず収益性を問われる。地域創生の取り組みとして、地方産品の海外輸出や、インバウンド需要の取り込みが増えているが、競争も激しく、自治体からの補助金がないと成り立たない、というケースも耳にする。そこで、インバウンドでは、全部を取りに行こうとするのではなく、人口は少ないがリピーターが多いシンガポール人や、まだ訪日者数は少ないが伸びしろがあるインド人など、特定国に絞ってリソースを集中することで収益性を上げるのはどうだろうか。

小沢晴司:宮城大学事業構想学群教授

話題提供【足もとのキャンパスから地域デザインを考える】:今回のテーマ「多様な主体による地域創生デザインのすすめ」に即して宮城大学での事例を紹介したい。本学キャンパスは3つに分かれ約60haの森林が広がる。大半がスギの人工林で4年ほど前から学生主体で間伐を始めた。様々な専門家や地元企業、NPOも参画し、森林の概況調査も行ってきた。昨年度は仙台市等協力のもと詳細な生物多様性調査を行い国連30by30目標への環境省の「自然共生サイト」に学生主体で申請作業し登録認定に至った。今後も学内教職員・学生はもとより近隣コミュニティ、多様な企業や公共団体等の連携・協力によりキャンパス林の魅力発見と情報発信、その再生とカーボン・ニュートラル推進等を進めていきたい。

早乙女愛佳:北海道経済産業局知的財産室長

ナビゲーターよりコメント「失われた30年」と表現されようとも日本を良くしたいと仕事に汗水たらし現在も邁進している先輩たちがいる。「Z世代」と括られようとも好きなことを見つけたいと一生懸命もがく学生たちがいる。両世代に挟まれた私に何ができるだろうかと考えさせられる時間となった。それぞれの声や気持ちに寄り添い、人と人、情報と情報をつないでいく役割が期待される世代になったのだと改めて意識し、身が引き締まる思いである。一方で人生は楽しんだもの勝ち。一日一日を大切に生きていきたいし、先輩たちも学生たちもそうであって欲しいと強く願っている。

協力機関-中尾吉宏 氏(東北地方整備局企画部長)のコメント

様々な主体が各々の特性や、その地域の特性を活かして同じ方向性で地域創生の取り組みを進めることで、その効果はとても大きなものになり得る。国土交通省もインフラの整備等を通じて、多様な主体と協働で地域創生に取り組むことができるステークホールダーであり、そのことを、地域創生の活動をされておられる方々に忘れないでいてほしいと願っている。地域創生に興味がある学生たちに国土交通省の門戸は広く開いている。

協力機関-油川一義 氏(東北経済産業局資源エネルギー環境部次長)のコメント

東北の最大の課題は人口減と若者等の流出である。こうした中で地域創生を実現していくためには、地域の可能性に自ら気づき、多角的な視点での主体的な行動と、他者との連携が鍵になることを再認識している。東北経済産業局としても、持続可能な地域経済社会の実現を目指し、産学官連携のもと「エリア価値の向上」「企業競争力の強化」等の中期的課題に取り組んでいくこととしており、若者の活躍にはスタートアップ創出も重要である。仙台では起業家コミュニティも育ちつつあり、ぜひ臆せず参加し、先輩起業家の声に触れて欲しい。

協力機関-中島尚子 氏(東北地方環境事務所長)のコメント

東北地方は、豊かな自然、歴史文化など地域資源に恵まれている。環境省においても国立公園やロングトレイル等を活用した地域の魅力向上に取り組んでいるが、さまざまなステークホールダーの連携、さらに一人一人の主体的な行動が重要であることを改めて認識。また参加された学生、特に女性の方々から積極的な発言を伺うことができ大変頼もしく感じた。

協力機関-千坂守 氏(宮城県経済商工観光部副部長)のコメント

宮城大学地域創生シンポジウムに参加する貴重な機会を頂き、改めて感謝したい。宮城県内においても、地域ごとに異なる特性や状況に応じた活性化施策が求められているところであるが、今回のシンポジウムにおいて、発表者から、官民の様々な立場での経験をもとにした知見やアドバイスを頂戴し、地域創生を進めていく上でのヒントを得ることができた。宮城大学の学生たちにも、示唆に富んだ内容と思われ、日頃から取り組まれている地域創生活動に活かしていただけるのではと思う。

開催概要

イベント名 宮城大学地域創生シンポジウム「多様な主体による地域創生デザインのすすめ」
開催日時 2025年7月25日(金)10:00~14:00
場所 宮城大学大和キャンパス(宮城県黒川郡大和町学苑1-1)交流棟2FPLUS ULTRA- 及び宮城大キャンパス林
内容 10:00-12:00シンポジウム
開会挨拶 宮城大学 佐々木 啓一 学⾧
話題提供(公財)不動産流通推進センター 森 毅彦 常務理事 
内閣官房参事官 川上 敏寛 参事官
(株)ANA総合研究所 伊藤 直樹 主席研究員
丸紅(株)グローバル総括部アジア・大洋州課 小田原大悟 課⾧
宮城大学事業構想学群 小沢 晴司 教授 
質疑応答 
コメント 東北地方整備局、東北経済産業局、東北地方環境事務所、宮城県
講評 閉会 公立大学法人宮城大学 佐野 好昭 理事⾧ 
12:20―12:50昼食(隣接本部棟のカフェテリア・生協は混むのでお弁当ご持参推奨)   
13:00-14:00宮城大キャンパス林探訪~生物多様性の魅力と森林再生~ 
※R6自然共生サイト登録・宮城大学生が案内します 要運動靴 雨天決行
主催 宮城大学、官民協働地域創生研究会
協力 東北地方整備局、東北経済産業局、環境省東北地方環境事務所、宮城県
問合・申込 事務局 小沢晴司 ozawas@myu.ac.jpまで
チラシ 宮城大学地域創生シンポジウム「多様な主体による地域創生デザインのすすめ」

ゲスト

  • 早乙女愛佳:ナビゲーター、官民協働地域創生研究会
  • 森毅彦:(公財)不動産流通推進センター常務理事  東京大学法学部卒  1989 年建設省(現国土交通省)入省  住総務省、農林水産省、在英日本国大使館、都市再生機構、高速道路会社等を経て、2023 年国土交通省関東地方整備局副局⾧、2024 年 7 月から現職。内閣府防災担当時には、東日本大震災発災当日に自衛隊機で仙台入りし、お盆まで政府現地対策本部にて対応。
  • 川上敏寛:内閣官房参事官、1995 年東京大学法学部卒業。同年通商産業省(現経済産業省)入省。経済産業政策局知的財産政策室⾧、金融庁監督局監督調査室⾧、特許庁制度審議室⾧、内閣府知的財産戦略推進事務局参事官を経て、2022 年より現職。
  • 伊藤直樹:(株)ANA 総合研究所  主席研究員  酒田市出身。横浜国立大学工学部卒業後 1989年 ANA 入社。総合職(技術)として航空機整備を経験後、整備企画職を歴任。部門戦略や整備ビジネスをスコープとした世界企業との業務提携、合弁検討なども手掛けた。近年では官公庁受託事業部⾧として政府専用機整備等をサポート。2025 年 4 月現職の地域連携職務に就く。
  • 小田原大悟:丸紅(株)グローバル総括部アジア・大洋州課⾧  東京都出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2003 年丸紅に入社。ゴム部に配属され乗用車タイヤの輸出入ビジネスに携わった後、 2010 年に現在の部署に異動し、地域軸での新規案件開発・渉外活動・情報収集や、海外拠点管理・社内調整業務等を担う。インド(デリー)、シンガポール駐在を経て2022 年 4 月より現職。入社後、一貫してアジアでのビジネスに携わっている。

宮城大学大和・太白キャンパス・坪沼農場の森林が
環境省「自然共生サイト」に認定されました

宮城大学は大和・太白キャンパスと坪沼農場を有していて、大きくキャンパス緑地は3エリアに分かれます。これらキャンパス緑地が「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」として、令和6年度後期-環境省「自然共生サイト」に認定されましたのでお知らせいたします。東北地方における大学・教育機関としては初の事例となります。

地域創生学類について

地域創生学類

地域創生学類では、社会課題解決に寄与する事業創造や地域政策、それらの根拠を導く科学的分析手法を学び、ソーシャル・イノベーションをもたらす原動力となり、社会に貢献する人材の育成を目指しています。

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