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24.10.30
蔵王ナシやラ・フランスなど海上輸送で 仙台港から香港に輸出する実証試験を実施 / 今回は「多品目混載」に挑戦
食産業学群兼田朋子准教授 (食品保蔵学研究室)は、青果物の海上輸出実現に向けた品質保持技術の研究を行っており、国産青果物の「海上輸送」を実現するため、効率的輸送システム・品質保持技術の開発などを行っています。このたび、食品保蔵学研究室の技術指導の下、(株) 仙台水産、仙台あおば青果(株)、(株) ジェイエイてんどうフーズ、宮城県等と協働で、宮城県産・山形県産果実の「多品目混載」による仙台港発・香港向けの海上輸送実証試験を行いますのでご案内いたします。
蔵王ナシやラ・フランスなど海上輸送で仙台港から香港に輸出する実証試験を実施 |
海上輸送へのシフトを目指し、青果物の長期品質保持技術を確立
現在、青果物輸出の大半は航空便で行われていますが、一括大量輸送・低コスト輸送が可能な海上輸送へのシフトが求められています。これまで行ったイチゴ、ナシ・ブドウの海上輸出試験では 2 ~ 3 週間程度の長期品質保持技術について検証を行い、無事に輸送に成功し、香港やシンガポールの消費者に東北の美味しい果実をお届けしました。
多品目混載の課題を解決し、コンテナ満載への挑戦
低コストかつ大量輸送を実現するには、コンテナの容量を満たす必要があり、その方策の一つとして複数の品目をひとつのコンテナに載せる多品目混載があります。しかし品目によって品質の特性や収穫期が異なるため、品質を保持しながら全品目そろえた上で輸出するフローを構築する必要があります。今回は、県内冷蔵倉庫 ( 岩沼・中越通運(株)) に順次「貯蔵」し、輸出します。そのため、過去の輸出実証試験よりも最大で 1 か月程度長い期間の品質保持が必要となり、かつ性質の異なる各果実の特性を把握し、それぞれに異なる適切な対策を行う必要があるため、これまでの輸出実証試験よりも高いハードルに挑戦することとなります。
輸出品目は5種類・総量5.6t
① 蔵王ナシ ( 品種:新高 )(10kg・100 ケース )、宮城県産
② シャインマスカット(5kg・295 ケース )、山形県産
③ ラ・フランス (5kg・50 ケース )、山形県産
④ 庄内柿 ( 品種:平核無 )(7.5kg・250 ケース )、山形県産
⑤ 早生リンゴ ( 品種:フジ )(10kg・100 ケース )、山形県産
香港までの輸出試験スケジュール
11月5日(火) ★取材可能です | 12 時 00 分頃~:果実の品質保持パッキング 13 時 00 分頃~:リーファーコンテナへの貨物積み込み 14 時 30 分頃:出荷式・コンテナトレーラー出発 ( 仙台港へ向けての工程は取材可能です) ※場所:中越通運(株)仙台 ALC(〒989-2421 宮城県岩沼市下野郷菱沼 56-5) ※仙台港へのコンテナ搬入の様子を取材を希望される場合、立入許可申請のため事前にお車ナンバーをお知らせ下さい。 |
11月12日(火) | 仙台港から出航、横浜港経由で、香港港に 11 月 24 日 ( 日 ) 着予定 着後は着荷状況(果実の品質確認等)を追跡調査するとともに、現地小売店 (DON DON DONKI 10 店舗、YATA(日系百貨店)10 店舗 ) にて「Five Fruits Fair」を開催し、果実を販売。 |
本リリースに関するお問い合わせ |
株式会社仙台水産
株式会社仙台水産は、仙台市若林区に事業所を置く水産物専門商社です。生鮮卸売業から、食をトータルに捉えた「食文化提案企業」を目指し、市場の主導的役割を果たしながら、商品の企画・開発、小売店・量販店への提案や商談を行う「食文化提案企業」として、食をトータルに捉えた多面的な事業を展開しています。
仙台あおば青果株式会社
仙台市中央卸売市場・青果部で唯一の卸売業者である「仙台あおば青果株式会社」は、仙台・宮城・東北の皆さまに安全・安心な青果物を安定的にお届けすることを使命としています。
流通の複雑化が進む中、産地との連携を強化し、新鮮で、安全・安心な青果物を安定的に供給することで、安全で安心な新鮮青果物物流・卸販売を通じ、産地と消費者の絆となり地域社会に貢献しています。
ジェイエイてんどうフーズ
株式会社ジェイエイてんどうフーズは、山形県にある天童市農業協同組合100%出資の株式会社です。穀物(米)をはじめ、天童の自然が育てた甘いブランド果物を多く取扱っており、山形の農産物を全国に販売する事業を展開しています。
研究者プロフィール
・兼田 朋子(かねた ともこ):食産業学群 准教授
食品、特に青果物の貯蔵・輸送性向上に関する研究を通じ、高品質の食品を消費者に届けるほか、SDGsやSociety 5.0の目標の一つでもあるポストハーベストロスの低減を目指します。また、近年では青果物の海上輸出を実現する為の品質保持技術の確立にも取り組んでいます。