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22.09.06
地域が抱える課題の発見とその解決に取り組む「地域フィールドワーク」を宮城県内4市町で実施しました
「地域フィールドワーク」は、全学を対象にしたフレッシュマンコアの必修科目で、地域の自然・歴史・文化等を学びながら、地域社会の将来に対する使命感を涵養し、これからの主体的な学びに向けた動機づけとなることを目標としています。今年度は4日間の行程にわたって452名の学生が受講し、宮城県内の大崎市、女川町、村田町、亘理町の4つの市町をフィールドとして、自治体の全面的な協力のもと現地フィールドワークを行いました。
1日目/ガイダンス(5月11日)
地域協働学習と自己の学び・地域特性の把握と事前学習への取り組み
初回の講義では、地域フィールドワークの位置づけや意義を確認し、地域へ訪問する際の心構えやマナー等、フィールドワークのリテラシーを習得。また、それぞれの地域の特徴や見所について自治体職員から説明を受け、学生たちは各自の興味関心に基づいたフィールドワークにおけるテーマの設定を行いました。
2日目/フィールドワーク(6月8日・15日)
2日目の授業では、クラス単位に分かれ、大崎市・女川町・村田町・亘理町でフィールドワークを実施。学生は地域を自分の足で実際に歩くことで、インターネットや文献の事前調査では知ることができなかった、地域の特徴や課題等を確認することができます。フィールドワーク後はグループごとに調査をふりかえり、得られた成果や課題等を確認・共有しました。
フィールドワークについて
古いまち並みの背景を想像する/村田町
村田町の本町および荒町周辺は、土蔵造りの建物が並び、県内で唯一の伝統的建造物群保存地区に指定されています。蔵のまち並みの中には昔ながらの味噌店や酒店が残っているだけでなく、カフェや雑貨店など、新しい活用も見られます。特徴的な空間はそのままに、建物の機能を更新して活用していくことで、地域資源を後世に繋いでいく様子を知ることができました。
変化するまちの様子を捉える/大崎市三本木
大崎市三本木地区では、旧国道4号線沿いにある三本木商店街を中心に歩きながら、まちの様子を観察しました。幹線道路が近隣に通ったことによる大型店舗の進出や、宅地化の進行など、古くからある商店街の周辺ではさまざまな新しい動きがみられました。商店街にて家業を継いだ本学の卒業生からは、こうした変化に対応するために、三本木まちづくり協議会の一員となり、本学で学んだワークショップ等の手法を用いながら課題解決策を話し合っているという話が紹介され、多世代が参加しながら地域のことを話す大切さを学びました。
災害復興とその先のまちづくりを学ぶ/女川町
女川町では、復興指針である「持続可能な町・コンパクトシティ」の実現に向け人口減少を見据えたエリアマネジメントに取り組んでいます。商業施設が立ち並ぶシーパルピア女川・地元市場ハマテラスを中心とした駅前の散策や、震災遺構である旧女川交番の見学を通し、東日本大震災からの復興プロセスや、まちの再生に込められた思いに触れ、災害復興とその先のまちづくりの展望について学ぶ機会となりました。
災害復興と地域のシビックプライドを学ぶ/亘理町
亘理町では, 午前中に亘理町役場を拠点とし、海苔養殖を営む生産者による講話や、本学の卒業生であるミュージシャンやサーファーなど、多様な人材が参加している地域おこし協力隊員から、復興まちづくりについて話を聞きました。午後は、新たに防災公園として再生した鳥の海公園がある荒浜地区の魅力探索を行うチームと、本学の卒業生が家業を継いだ果樹園及びいちご団地を訪問するチームに分かれ、震災被害からの再建と今後の発展に向けたお話を聞きました。住民と震災後に移住した人々が協働することで、多面的な復興まちづくりを進めていることに触れ、フィールドワークの醍醐味を学ぶことができました。
3日目/「フィールドワークのまとめ」作成/共有に向けたブラッシュアップ(6月15・22日)
3日目の授業では、前回の授業で実施したフィールドワークのふりかえりを行い、最終講義で行われる「フィールドワークのまとめ」報告会に向けて、背景、目的、調査結果、分析、及び分析結果をまとめた成果物を作成する方法を学びました。学生は最終講義までに、自身の成果物をブラッシュアップし最終講義に挑むことになります。
4日目/提案の手法とスキルについて/「フィールドワークのまとめ」共有(7月6日)
最終日に行われた成果報告会では、各自治体の関係者が参加しました。まずは、学生がそれぞれに作成したフィールドワークの成果をまとめたスライドをペアで発表し、フィールドワーク時の視点の多様さを共有するとともに、各学群の代表者によって成果報告のプレゼンテーションが行われました。自治体関係者からの講評では「第三者が地域にどのような眼差しを向けているのか知ることができた」等のコメントがありました。学生たちも、ほかの学生による課題把握の仕方やプレゼンテーション手法等について気づきを得ました。
本年度の「地域フィールドワーク」の開講にあたり、大崎市、女川町、村田町、亘理町の各自治体職員の皆様、並びに関係者の皆様をはじめ、多くの方々に御協力、御尽力を頂きました。この場をお借りして、心より厚く御礼申し上げます。
開催概要
令和4年 5月11日, 6月8・15・22日, 7月6日(すべて水曜日)
日付 | 講義題目 | 講義概要・主なフィールドワーク場所 |
---|---|---|
5月11日 | ガイダンス 担当自治体について | 地域協働学習と自己の学び 地域特性の把握と事前学習への取り組み |
フィールドワークの | 学群と地域の関連性について | |
6月8・15日 | 現地FW | 村田町:村田町商店街ほか町内各地 |
大崎市:三本木地区商店街ほか市内各地 | ||
女川町:シーパルピア女川ほか町内各地 | ||
亘理町:シーサイドベースほか町内各地 | ||
6月22日 | フィールドワークのふりかえり | フィールドワークのふりかえり |
7月6日 | フィールドワークのまとめ発表 | フィールドワークのまとめの自治体職員へ発表 |
お問い合わせ
公立大学法人 宮城大学 地域連携実践教育推進室(大和キャンパス)
TEL:022-377-8659 / FAX:022-377-8669
<参考>
- 地域が抱える課題の発見とその解決に取り組む「地域フィールドワーク」<2022年度>
- 地域が抱える課題の発見とその解決に取り組む「地域フィールドワーク」<2021年度>
- 地域フィールドワーク・エクストラを実施「地域フィールドワーク」<2020年度>
- 地域が抱える課題の発見とその解決に取り組む「地域フィールドワーク」<2019年度>
- フレッシュマンコア[全学群共通・必修]
- コミュニティ・プランナープログラムとは