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25.07.31
東北初!宮城県産夏イチゴ等を海上輸送で仙台港から香港に!夏の青果物輸出モデルを構築する輸出試験 8/7に卸町で出荷式を実施
食産業学群兼田朋子准教授(食品保蔵学研究室)は、国産青果物の「海上輸送」を実現するため、効率的輸送システム・品質保持技術の開発・研究などを行っています。食品保蔵学研究室の技術指導の下、新たに「夏に青果物を輸出するモデル」を構築するため、宮城県や株式会社仙台水産、NX日本通運株式会社らと共同で、夏イチゴ・カボチャ・干し芋(以上、宮城県産)・メロン(山形県産)をはじめとする東北地域の青果物に加え、山梨県ブドウ・北海道産野菜数種といった複数産地の青果物を仙台に集約。リーファーコンテナに多品目混載し、仙台港から海上輸送で香港に輸出する実証実験を行いますのでご案内いたします。なお、宮城県産夏イチゴの海上輸出は初めての試みで、実現により宮城県産イチゴの周年海上輸出が可能となります。
プレスリリース:宮城県産夏イチゴ・カボチャ・干し芋・山形県産メロンなど海上輸送で仙台港から香港に輸出する実証試験を実施 / 夏の青果物輸出モデルを構築、8/7出荷式を実施します |
海上輸送へのシフトを目指し、青果物の長期品質保持技術を確立
現在、青果物輸出の大半は航空便で行われていますが、一括大量輸送・低コスト輸送が可能な海上輸送へのシフトが求められています。兼田准教授らはこれまで、①イチゴ(春)、②ニホンナシとブドウ(秋)、③ニホンナシ、西洋ナシ、ブドウ、カキ、リンゴ(秋)の多品目混載による海上輸出試験を行い、2~3週間程度の長期品質保持技術を確立し、無事に香港やシンガポールの消費者に東北の美味しい果実をお届けしました。
夏に青果物を輸出するために、多品目混載に加えてシビアな品質管理に挑戦
海上輸送において、一括大量輸送による流通コストの低減実現するには、コンテナ容量を限りなく満たす必要があり、その方策の一つとして複数の品目をひとつのコンテナに載せる多品目混載があります。しかし、品目によって産地や収穫期が異なる場合には、複数の産地から青果物が輸送され全品目揃うまでの期間に加えて、輸送に要する期間や消費者の手に届く期間も含め、長期間にわたって、品質を維持できる流通フローを構築する必要があります。今年度は輸出品目の産地が東北を超え、より広域にわたるため、最大1か月程度の品質保持が必要となります。近年の猛暑の影響を受けやすい夏どりの青果物の品質を見極め、陸送で仙台に輸送したうえで、収穫期や性質の異なる各果実の特性を把握し、それぞれに適切な対策を行う必要があることから、今回の輸出実証試験は、これまでよりもより高いハードルに挑戦することとなります。
香港までの輸出試験スケジュール
仙台市卸町の冷蔵保管施設において、令和7年8月4(月曜日)および5日(火曜日)に、品質保持効果のある包装資材へのパッキングやリーファーコンテナへの積み込み、8月7日(木)に出発式を行いますので、ぜひご取材願います。
~8月5日 | 卸町の冷蔵保管施設 | 青果物集荷・果物の品質保持パッキング |
8月7日 | ★ご取材いただけます | コンテナへの積み込み(13:00頃~) コンテナの出発式(14:30頃出発) |
8月8日 | 仙台港 | 仙台港出航(フィーダ―船) |
8月15日 | 横浜港(横浜市) | 横浜港出港(外航船) |
8月22日 | 香港港 | 香港港到着 |
8月25日 | 香港現地倉庫(MRT FOODS CO.、 LTD) | 貨物受取り、着荷状況の確認、品質調査 |
9月4日~ | (販売先調整中) | 現地小売店で販売開始 |
このリリースに関するお問い合わせ先:宮城大学事務局広報担当:小野寺 022-377-8746 kouhou@myu.ac.jp取材の際は、所属・人数・氏名・連絡先を事前にお知らせください。 |
輸出品目
- 宮城県七ヶ宿町産、夏イチゴ‘すずあかね’・宮城県登米市産、カボチャ‘ダークホース’
- 宮城県南三陸町産、干し芋・山形県産、メロン‘レノン’
- 山梨県産、ブドウ‘シャインマスカット ’
- 北海道産、ニンジン、タマネギ、バレイショ(ジャガイモ)、ダイコン
※輸出数量および販売先は現在調整中、輸出品目の一部も変更の可能性あり
研究者プロフィール
・兼田 朋子(かねた ともこ):食産業学群 准教授
食品、特に青果物の貯蔵・輸送性向上に関する研究を通じ、高品質の食品を消費者に届けるほか、SDGsやSociety 5.0の目標の一つでもあるポストハーベストロスの低減を目指します。また、近年では青果物の海上輸出を実現する為の品質保持技術の確立にも取り組んでいます。