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新着情報

24.06.17

3月、MESH・ドローン・VRなど最新テクノロジーを活用した高校生向け教育プログラム「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」を過去最大規模で開催

2024年3月20日、宮城大学大和キャンパスを会場に「Downstream から学ぶ DX リスキリングプログラム」と連動した、高校生を対象とした「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」を開催しました。

高校生向け「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」とは

本企画は、共通テスト等において「情報」科目が追加されることなどを踏まえ、広く情報やそれに伴う社会の変化に関わる基本的なエッセンスを理解するとともに、データやデジタル技術に関わる学びの面白さや難しさを大学でどのように学ぶのかを体験するワークショップです。前半のミニレクチャーに加え、後半はSONY MESH や VR、ドローンといった現在の最新テクノロジーに実際にふれて新たな思考を体験いただきました。今回は、前半のミニレクチャーおよび午後の体験会へは、小・中・高校生、およびその父兄、さらには一般の方々234名、後半のワークショップにおいてはあらかじめ登録をしていただいた高校生61名の計295名の方々にご参加いただきました。


価値創造デザイン学類太田賢教授によるミニレクチャー
アプリを開発するサービス提供者側の目線でサービスをつくるポイントを紹介

ミニレクチャーの講師である太田教授は、NTTドコモの研究開発部門でAI・ビッグデータを活用したサービス開発に長年かかわった経歴を持ちます。冒頭に、日本でダウンロードされている無料・有料アプリのランキングを取り上げ「日々スマートフォンのアプリを使っていると思いますが、この時間は、アプリを開発するサービス提供者側の視点に立って考えてみましょう」と呼びかけました。サービスを多くの人に継続して使ってもらうためには、「便利、お得、楽しい」などの「価値」を提供することが大事だと付け加えました。

太田教授の研究室で行っている学生のアプリ開発の取り組み

また、太田研究室に所属する学群3年生が開発した2つのアプリが紹介されました。まず一つは、温泉地として有名な仙台市秋保地区の観光スポットを取り上げた「あきう冒険マップ」です。このアプリは子どもにターゲットを絞った体験型の観光アプリで、クイズ形式で観光スポットを紹介するなどの工夫が取り入れられており、クイズや案内文は生成AIを使って作成し、観光地のデータとして仙台市のオープンデータが活用されています。

もう一つ、​​​​​​​「読み聞かせナビ」は読み聞かせ活動に適した絵本を検索できるアプリです。そもそも子供の年齢や季節に適した絵本を探す大変さを課題ととらえ、子どもの読書習慣を促進することを目的としているとのこと。国立国会図書館が公開している本のデータや宮城大学に隣接する宮城県図書館の協力も得て、250冊の絵本をデータ化。子どもの年齢によっておすすめの本を絞り込める機能や読み聞かせのポイントなどを投稿できるコメント機能などを加えました。

太田教授は「研究室の学生たちは、取り組みを通してデータを集める楽しさを感じ、漠然としていた情報サービスの概念を理解することができたと言っています。アプリ開発に求められる課題解決力は文理関係なく身に着けることができる。この後の体験会で色々な技術を体験して、今何が起きているのか、予兆を感じてほしい」と締めくくりました。


SONY MESH や VR、ドローンなどに触れるワークショップ・体験会

後半は、高校生を対象とした事前予約制のワークショップと、高校生のみならず広く小・中学生や一般の方も対象とした体験会が同時開催されました。

MESH ワークショップ/ノンコードによるプログラミングによって目的をどう達成するか

SONYの「MESH」を使用して,グループごとにいわゆるプログラミング言語を使わないノーコードプログラミングによるシステム作成を体験しました。「MESH」は7つの「ブロック」からなり、それにタブレット端末でノーコードプログラムを作成し、様々なシステムを試してみることができます。この「ブロック」はそれぞれ別の機能を持っており、スイッチとして使えるボタンや様々な色に点灯するLEDライト、明るさや湿度・温度、人の動きを検知するセンサーになります。

参加者である高校生は「この条件であればこういう結果が出る」という条件と結果の関係や、「AND条件」、「OR条件」などの基本的な考え方やMESHの使い方を学びました。その後グループで「明るさブロックがふさがれたらLEDブロックが光る」などの課題に挑戦しました。また、「MESH」はインターネットとつながることでさらに便利な使い方をすることができ、参加者の高校生はMESHを使った日常の課題解決の事例を通して、プログラミングの楽しさと可能性について学びました。

ドローンワークショップ/トライ&エラーを通してプログラミング思考を学ぶ

ドローンを使ったワークショップでは、参加者である高校生たちは、まずドローンの名前の由来やドローンの役割、ドローンの法的な規制などドローンの基礎知識についてのレクチャーを受け、その後ドローンを使った演習を行いました。ドローンはタブレット端末と連動しており、タブレット端末から「離陸」、「着陸」、「90センチ上昇」、「前に100センチ移動」などの細かな指示を連ねることで、飛行計画プログラムを作成できます。参加者は、与えられた図に示されたルート通りにドローンが飛ぶように、タブレット端末上でプログラムを作成し、ドローンを計画通り飛ばす準備を行いました。その後、ドローンがプロペラ音を立てて飛び上がり、「フリップ(宙返り)」する様子には歓声が上がりました。

参加者は協力して入念にプログラミングをシミュレーションして、次々にドローンを飛ばしていきますが、写真がうまく撮影できなかったり、途中で壁にぶつかってしまったりするドローンもあるなど、なかなかうまくいきません。トライ&エラーを繰り返し、だんだん離陸点に戻ってくるグループも出始めるなど、少しずつ目標を達成しました。

担当講師は「機体の状況や風の状況によっても飛び方が異なる。これが先ほどのMESHのプログラミングとは異なるところで面白いところ。失敗はデータになる。次にどうするかを探るために失敗から学ぶことが大事なことです」と伝えました。

ChatGPT・VR 体験会

小・中学生、一般の方などにまで対象を広げた、VRやChatGPTの体験会もワークショップと同時に実施しました。VRを使った体験会では、ゴーグルを装着してコントローラを操作し、色塗りや組み立て、シューティングなどのゲームを体験してもらいました。参加者たちには、大学にいるはずなのに、突如出現したVR空間上で不思議な感覚を体験してもらいました。

ChatGPTを使った体験会では、実際にChatGPTに確率の問題を解かせたり、卒業式で担任の先生を感動させる方法についてChatGPTに質問したりしました。ChatGPTは納得のいく回答をする場合もあるものの、回答が不十分な場合も。ChatGPTについて、人間の思考の手助けをしてもらうという使い方をするのが重要ということを体験してもらいました。

当プログラムを総括する事業責任者である事業構想学群中田千彦教授は「超最先端の技術に親しむことは大切であり、自分で仕事や会社をつくるとか、新しいことに挑戦をするときには、技術とのパートナーシップを組めばものすごく有利になる。それはものすごく優秀な人と一緒に仕事をすると同じことです。このワークショップをぜひ楽しんでほしいですし、技術は味方だよ、ということを感じることができたのではないかと思います」と、技術と人間とのかかわりについて参加者に向けてコメントしました。


開催概要

イベント名 Edge-Prime Initiative
「高校横断 高校生のための未来志向型アントレプレナーシップ・ワークショップ」
「未来志向型アントレプレナーシップ・ミニレクチャー&体験会」
開催日時 2024年 3 月 20 日(水・祝) 11:00~16:30
開催場所 宮城大学大和キャンパス (981-3298 宮城県黒川郡大和町学苑 1 番地 1)

ミニレクチャー
&体験会

参加フォーム

11:00 ~ 12:00
本部棟 1 階講堂
「情報」 ミニレクチャー
難しさや面白さ、どのように学んで行けばよいかを、大学の先生がわかりやすく解説します。
定員 200 名
※どなたでもご参
加いただけます。
12:00~15:30
交流棟 3 階 サロン
ドローン・VR 体験会
最新のテクノロジー機器を体験し、その可能性に触れながら、未来へのワクワク感を共有しましょう。自由な時間にお気軽にご参加いただけます。
15:35 ~ 16:30
交流棟 3 階サロン
ChatGPT・VR 体験会
生成系 AI の ChatGPT と仮想現実を楽しむ VR ゴーグルを体験できます。

ワークショップ
※高校生対象

参加フォーム

12:30 ~ 15:35
交流棟 2 階
PLUS ULTRA-
MESH ワークショップ
ノンコードによるプログラミングを通して、目的をどう達成するかを遊びながら学びます。
定員 40 名
※高校生対象
ドローン ワークショップ
ドローンの運行計画を、プログラムし、トライ &エラーを通してプログラミング思考を学びます。
参加費 無料
申し込み 参加申し込みフォームよりご登録をお願いします。
主催 宮城大学
後援 宮城県教育委員会(予定)
お問い合わせ先 宮城大学アントレ事務局 担当 大槻 080-6027-5614
メール:entrepreneurship.myu@gmail.com

このプログラムは,(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START)みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム(Michinoku Academia Startup Platform:MASP)EDGE-PRIME Initiative)により行われたものです。2023年度は仙台育英学園・仙台育英学園沖縄校・宮城県古川高校・宮城県多賀城高校と協働してプログラムを実施してきました。

事業構想学群について

宮城大学は、グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材の育成を理念の一つとして掲げ、実学を尊重し、実践的な教育に取り組んでいます。事業構想学群では、現代社会の諸課題を多角的・グローバルな視点で論理的にとらえ、その課題解決に向けた事業を実行可能かつ持続可能なものとして構築する能力を身につけるとともに、豊かな人間性を基盤として地域資源の活用や新たな価値創造を志向し、産業、行政及び社会の各分野で先導的役割を担うことができる挑戦意欲旺盛な人材の育成を目指しています。

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