新着情報
24.04.17
2月,大崎市民ギャラリー・緒絶の館で『「、」と「。」展(くとうてん)』を開催しました/価値創造デザイン学類
2024年2月21日から2月25日の5日間,大崎市民ギャラリー・緒絶の館にて『「、」と「。」展』(『くとうてん』と読む)を開催しました。この展示会は,大崎市・宮城大学連携協力事業として研究推進・地域未来共創センターのコーディネーションにより2017年から開催しているものです。2023年度は,事業構想学群価値創造デザイン学類の「感性情報デザイン演習Ⅲ」を受講する3年生32名が制作した作品を展示しました。
句読点が持つ「間」や「終わり」テーマに7つの作品を展示
展示会では,句読点が持つ「間」や「終わり」という意味に着目し,このテーマに沿った体験型メディアアートの7つの作品を展示しました。また,作品制作だけでなく,展示会の企画から広報,設営,運営に至るまで,学生の主体的な取り組みにより実施されています。
えらくとーん
語句を選んで音色を操るインタラクションを体験できる作品で,体験者は音楽を自分の好きな音楽へとアレンジすることができます。音楽の一部を切り取ったり変化させたりすることで,新しい音楽を作り出せる作品です。
とまりあい
普段の生活で流れ去る時間では見えない,一瞬にあるモノや人の魅力を発見できる作品です。体験者はスクリーンの前で特定のポーズをとることで,映し出されるコンテンツが変化します。
MANGEKYO
ちょっとした動きで変化し続ける万華鏡の模様を,自分の好きなタイミングで止めて鑑賞することができる作品です。L字の壁面に映像を投影させることで,体験者のコンテンツへの没入感を高めています。
ぬりぬりパニック
ラジコンを操作して空間への塗り絵を楽しむ対戦型のゲーム作品です。ラジコンが走った軌跡が地面に映像として表示され,その軌跡の面積を2人対戦で競い合って遊ぶことができます。
はぐみー!
過去の自分と現在の自分とでスクリーン上で同時に表現する作品です。過去と現在で静と動の対比を表現していて,体験者は過去の自分と現在の自分とで写真を撮ることができます。
みずかがみ
ふと立ち止まって地面を見るように,展示に足を止めたくなるような作品です。体験者は日中と夜の2つの時間帯で異なる風景を地面の水たまり越しに見ることができます。
アンブレRUN
傘をモチーフとした横スクロール型のランニングゲーム作品です。怪盗が追っ手から逃げる道に落ちている障害物等を避けたり止まったりすることでゲームのクリアを目指します。
ポスターや,会場マップ,展示会ウェブサイト,動画,作品キャプション等は,本展示会に携わる学生で構成される広報チームにより制作されたものです。<特設ウェブサイト>
これらの作品は,来場者の操作や行為に反応して音や映像が変化するインタラクティブな要素を持つ体験型の作品です。展示会には,親子連れ,中高生,高齢者など,幅広い世代の方が来場し,多くの方々に楽しんでもらうことができました。
毎年この展示会を楽しみにされている市民の方も多く,会期中は5日間で計540名の来場者があり,各メディアからの取材も受けました。特に「アンブレRUN」や「みずかがみ」は子供世代に人気があり,何度も体験する子供や,長時間楽しむ子供が多数見られました。また,会場では,「楽しむ,体験する」ことだけでなく,制作に使用した技術やその応用方法について関心を持たれる方や,「展示したものをどう未来に活かすか」といった展望について,来場者が制作した学生と意見交換をする場面も見られました。たくさんのご来場ありがとうございました。
感性情報デザイン演習Ⅲについて
価値創造デザイン学類3年次後期の開講科目です。この授業では,これまでの演習で修得したデザイン・実装技術を統合して,デジタルメディアによる価値創造を実践するものとして,分野毎のスタジオに分かれ,グループによる共同制作を通じて価値創造デザインプロセスを学びます。最初に全員でインタラクティブなメディア作品展の企画に取り組んだ後,大きく開発系(インタラクティブなメディア作品制作)とリサーチ系(リサーチのためのメディア活用・制作)に分かれて演習を進めます。開発系の作品制作はリサーチ・展示企画演習で企画された展示コンセプトに沿って行われ,実際に外部のギャラリー等で一般に向けて展示を行います。(シラバスから引用)
※2024年度より「感性情報デザイン演習Ⅳ」として運用します。
指導教員
鈴木 優:事業構想学群准教授
蒔苗 耕司:事業構想学群教授
茅原 拓朗:事業構想学群教授
須栗 裕樹:事業構想学群教授
太田 賢:事業構想学群教授
佐藤 宏樹:事業構想学群准教授
薄井 洋子:事業構想学群助教
大崎市民ギャラリー 緒絶の館について
「緒絶の館(をだえのやかた)」は,酒蔵を利用した展示室も併設した趣きのある空間で,各種美術展の鑑賞と市民の創作活動の発表の場として親しまれています。平成4年に大崎市民の要望により,慶応年間に建てられた酒蔵を利用して開館しました。平成7年,旧国土庁の地域個性形成事業により,蔵のある景観を活かし新たなギャラリーを隣接させる形で建設,平成8年より市民ギャラリーとしてオープン,平成18年市町村合併により「大崎市民ギャラリー」として名を変え,市民に親しまれています。
大崎市民ギャラリー緒絶の館
「緒絶の館(をだえのやかた)」という名前は,万葉の時代より歌人に愛され,和歌に詠まれた悲恋の歌枕「緒絶の橋」に隣接していることから付けられました。この「緒絶の橋」は「万葉集」の他に「後拾遺集」や「源氏物語」などにも登場。松尾芭蕉の「奥の細道」では,心惹かれつつも道に迷って訪れることができなかった歌枕の地として書かれています。
<参考>
大崎市民ギャラリー「ゆらめくあわい」展を開催しました(2022年度)
大崎市民ギャラリー「おばけみっけ!てらして さがして かくれんぼ」(2021年度)
大崎市民ギャラリー「界面のデザイン展#1」(2020年度)
大崎市民ギャラリー「あととかたち展」(2019年度)
大崎市民ギャラリー「まにまに展」(2018年度)
研究推進・地域未来共創センター
企業や地方自治体・機関・団体のニーズや課題に対して,研究推進・地域未来共創センターは宮城大学の持つ多彩な人材・研究・技術・ノウハウなどを活かしながら,イノベーションや活性化の解決策を生み出していきます。
そして,地域産業の発展や魅力的な地域づくりなど地域の可能性を広げるために,従来の手法や領域にとどまることなく,さまざまな分野で共創し,宮城大学のミッションの一つである地域社会への貢献を目指します。