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25.01.09
【宮城県×宮城大学】12/15、DX人材育成プログラム「Downstream から学ぶDX」受講者によるPoC成果発表会を開催/事業構想学群
宮城大学では、宮城県からの委託により、県内の中小企業等において DX 推進を担う方々を対象とした DX 人材育成プログラム(「Downstream から学ぶ DX」)を2024年8月から4か月にわたり実施してきました。12月15日にはプログラムの集大成としてPoC成果発表会を宮城大学で開催し、受講生がそれぞれの職場等で取り組んだDX事例を発表しました。
受講生が自ら身近な課題のDXを立案しながら学び、
最終的に自分のアイデアをPoC(概念実証評価)としてまとめる
受講生は、宮城県内の製造業、飲食業、サービス業、情報通信業などを中心とした中小企業から約30名ほどが集まり、これまで本学教員やメンターの支援を受けながらPoC:Proof of Concept:サービスや製品に用いられるアイデアや技術が実現可能かを確認する実証作業に取り組んできました。受講生の業種ごとに課題も異なっており、業務負荷軽減や作業効率の改善、働き方改革、データの一元管理、在庫の見える化など、現場の具体的な業務に根付いた課題に取り組む例が多く見られました。
発表会はポスターセッション形式で、受講生がまず1分間のプレゼンテーションで発表内容を簡単に紹介し、発表者以外の受講生が各ブースを自由に回って発表を聞く形式で、4セッションを行うことで受講生全員が発表しました。また、「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」においてPoCに取り組んだ高校生2名もポスターセッションに参加しました。
現場・川下(Downstream)から課題を解決する多様なDX事例の発表
ベテラン社員の応対をチャットボット化、アナログ受注のデジタル一元化など
本プログラムの「Downstreamから学ぶ」というタイトルには上流・川上(Upstream)からではなく、現場・川下(Downstream)からのDXという意味が込められていますが、各業種の課題を解決する様々なアイデアがありました。例として、情報通信業を営む企業の受講者は、社員の高齢化が進みノウハウの継承が課題となっていることから、ベテラン社員の問い合わせに対する応答履歴をAIに読み込ませ、自動応答できるチャットボット化するアイデアを発表しました。観光業に新規参入した企業の受講者は、取引先から電話やFAXで送られてくる様々な様式の受注を、スプレッドシートで一元管理しデジタル化し、外出先からも関係者が案件情報を閲覧可能にして業務時間を軽減するアイデアを発表しました。
参加者の中には生成AIやデータ分析ツールを活用し、独自のアプリケーションを試作したケースもありましたが、多くの受講生はインターネット上で無料利用できるツールやGoogle、Microsoft Officeといった会社に導入されているツールを活用し、誰でもすぐに実践ができる解決方法を選定しました。発表の中では「まずはできるところから始めてみることが大切」、「無料で利用できるツールでもやりたいことが実現できる」と呼び掛けました。
発表の中から参加者で好事例を選定、大学の場を活用した活発な意見交換を実施
「街の食堂が描く次世代DDX」AIによる需要予測が参加者から高評価
各発表ブースにおいて意見交換や交流が行われたほか、教員やメンター・受講生による投票でいくつかの好事例を選定しました。選定された事例のひとつ、高校生チームの発表は、「家族との時間について」をテーマとして、高校に入学して家族と過ごしている時間が少なくなっているという課題意識から、親と子供にアンケート調査を行い「親と子供がお互いの気持ちを知り、週末に一緒に何をやるか考えるアプリ」を考案したものです。
もっとも多くの票を集めたのは、飲食業界の受講者による発表「街の食堂が描く次世代DDX」で、人手不足と業務の複雑化、食材コスト・光熱費の上昇という様々な課題を解決するため、AIによる需要予測を導入した飲食業の事例でした。顧客により良いサービスを提供していくため、店舗の空き状況や厨房の稼働状況の可視化、食材の自動発注やシフトの最適化など社員を巻き込んだチャレンジが評価されました。発表会の最後に、モジュール科目のオンデマンド講義を60時間以上受講した受講生に修了証が手渡されました。
プログラムを担当する中田千彦教授は「この場所にこれだけ多様な方が集ったのが最高の瞬間だと思っている。教員とメンター、そして受講生のみなさんが対等な関係で一緒にプログラムを作り上げられたことがとても意義あること。今後もみなさんと一緒に何かをやっていくような関係でありたいと考えているので、みなさんも宮城大学をぜひ利用してください」と総括しました。
開催概要
イベント名 | 「Downstream から学ぶDX 」PoC発表会 |
開催日時 | 2024年12月15日(日) 11:50~16:30 |
会場 | 宮城⼤学⼤和キャンパス 交流棟2階 PLUS ULTRA- (981-3298 宮城県黒川郡大和町学苑1番地1) |
内容 | 受講生によるPoC成果発表(31組発表予定、発表1分)、最終発表3組、総評 |
見学参加 | 事前申込制 |
お問い合わせ | 宮城大学DDX事務局/downstreamdx@gmail.com |
プログラム概要
- プログラム名:「Downstream から学ぶ DX」リスキリングプログラム
- 責任者:中田千彦(なかた せんひこ) 宮城大学事業構想学群 教授
- 受講者数:主として県内の中小企業等において、DX 推進を現在担う、もしくは今後担う予定の方々 20 名程度
- 実施期間:2024 年 8 月 30 日(金)(開講式)~ 12 月 15 日(日)(PoC 発表会)
- 授業時間:60 時間/ 40 コマ(1 コマ 90 分換算)相当 *
※60 時間以上の受講と最終成果等の要件を満たすことにより、修了証が発行されます - 授業形態:対面ワークショップ+遠隔スクーリング + オンデマンド講義
- 会場:宮城大学 + オンライン
- 受講料:無料、宮城県の委託業務のため令和 6 年度は原則無料で実施されます。
- 主催:宮城大学・宮城県
本事業は宮城県における令和 6 年度産業デジタル専門人材育成業務として実施するものです。
宮城県令和 6 年度産業デジタル専門人材育成業務について
人口減少・高齢化が進展する中で経済成長を実現するには、生産性向上が不可欠であり、そのためには DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要となっています。しかしながら、DX 推進の中心的な役割を担うデジタル人材の不足は深刻化しており、中小企業の DX 推進を妨げる要因の 1 つに挙げられています。本事業では、県内産業のDX推進を加速化させるため、専門的な技術力、新たな価値を創造できる企画力を持った人材を育成することを目的としています。
事業構想学群について
宮城大学は、グローバルな視点で地域社会の発展に貢献できる人材の育成を理念の一つとして掲げ、実学を尊重し、実践的な教育に取り組んでいます。事業構想学群では、現代社会の諸課題を多角的・グローバルな視点で論理的にとらえ、その課題解決に向けた事業を実行可能かつ持続可能なものとして構築する能力を身につけるとともに、豊かな人間性を基盤として地域資源の活用や新たな価値創造を志向し、産業、行政及び社会の各分野で先導的役割を担うことができる挑戦意欲旺盛な人材の育成を目指しています。
Downstreamから学ぶDX
- DX人材育成プログラム 「Downstream から学ぶDX」受講者によるPoC成果発表会(2024年度)
- 【宮城県×宮城大学】DX人材育成プログラム 「Downstream から学ぶDX」事例紹介・導入WS(2024年度)
- 【宮城県×宮城大学】DX人材育成プログラム 「Downstream から学ぶDX」記者発表を実施(2024年度)
- 「Downstreamから学ぶDX」リスキリングプログラム事例&導入ワークショップ (2023年度)
- 「Downstreamから学ぶDX」リスキリングプログラム、事例&導入ワークショップ (2022年度)
- 「Downstreamから学ぶDX」リスキリングプログラム
未来志向型アントレプレナーシップ
- 福島県伊達市粟野地区の地域住民を対象として、石内准教授による「ドローンを用いたプログラミング講座」(2024年度)
- 【宮城大学×尚絅学院高等学校】未来志向型アントレプレナーシップワークショップ(2024年度)
- 【高校生向け】未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム2024受講者募集中(2024年度)
- 高校生向け教育プログラム「未来志向型アントレプレナーシップ教育プログラム」を過去最大規模で開催(2023)
- 【宮城大学×宮城県多賀城高等学校】未来志向型アントレプレナーシップワークショップ(2023年度)
- 【宮城大学×宮城県古川高等学校】未来志向型アントレプレナーシップワークショップ(2023年度)
- 【宮城大学×仙台育英学園】 未来志向型アントレプレナーシップワークショップ(沖縄) (2023年度)
- 【宮城大学×仙台育英学園】未来志向型アントレプレナーシップワークショップ (2023年度)
- 【宮城大学×仙台育英学園】未来志向型アントレプレナーシップワークショップ (2022年度)