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新着情報

24.09.17

6月、日渡教授による第62回教材生物WS『植物細胞の動きを見ながら、進化を考える』を太白キャンパスで開催しました

植物分子遺伝育種学研究室(日渡祐二教授)は、植物分子遺伝学、植物細胞生理学、発生進化学を専門分野として、食料・バイオマス増産に関わる有用形質の制御メカニズムについて基礎研究を行っています。6月15日、中堅教諭等資質向上研修(旧 10 年経過研)の一環として、宮城大学太白キャンパスにおいて、食産業学群の日渡祐二教授を講師として、第62回教材生物ワークショップを開催しました。

高等学校の理科担当教諭及び実習教員を対象とした教材生物ワークショップ

この研修会は、宮城県内の高等学校で生物を担当する教員が、専門家による講義と実習を通じて、生物学の最新知見や実験技術に触れることを目的としています。当日は21名の高校教員が参加し、午前から午後にわたって講義と実習を通した研修を行いました。

講義:『植物細胞の動きを見ながら、進化を考える』

講義では、進化学の基礎から始まり、近年注目されている発生学と進化学の融合分野である「発生進化学」について取り上げました。進化学では、進化の定義に加え種の歴史を辿る系統分類の概念を紹介、発生進化学では、ショウジョウバエのボディプランを決定する遺伝子を例に、発生遺伝子の役割を説明しました。また、午後に行われる実習内容の説明として、植物細胞の成り立ちと進化、細胞の成長に関する解説を行いました。

実習:陸上植物(被子植物、コケ植物)・藻類(緑藻、紅藻)の細胞伸長や分裂を観察

実習では、植物細胞のダイナミックな生理現象を理解するため、顕微鏡を用いて生きた細胞を観察する「ライブセルイメージング」を行いました。今回の観察対象は、(1)トマトの花粉管伸長、(2)ヒメツリガネゴケの細胞伸長と細胞分裂、(3)シャジクモの原形質流動、(4)スサビノリの細胞伸長でした。特に、(1)トマトと (4)シャジクモについては、参加者全員が自らサンプルを調製し、顕微鏡で観察し、顕微鏡カメラを用いて画像を取得しました。

(3)シャジクモでは、原形質流動に関連する細胞骨格系を阻害する薬剤を投与し、原形質流動の変化を観察しました。これらの観察を通じて得られた画像を解析することで、植物細胞のダイナミックな振る舞いを体感するとともに、阻害剤を用いた実験により、そのメカニズムの一端を考察する機会となります。

本プログラムの総括として、日渡教授は次のようにコメントしています。「高校の生物教科書は『進化』の章から始まります。生物を理解するための第一歩は、生物多様性をもたらす進化を知ることです。高校の先生方はもちろん、多くの高校生にも、宮城大学で行われている進化や植物に関する研究に興味を持っていただけたら嬉しく思います。」
日渡教授の今後の取り組みにもご注目いただけますと幸いです。

開催概要

イベント名 第62回教材生物WS『植物細胞の動きを見ながら、進化を考える』
日時 2024年6月15日(土)09:15〜16:15
会場 宮城大学太白キャンパス(〒982-0215仙台市太白区旗立二丁目2番1号)
対象 高等学校の理科担当教諭及び実習教員20名程度
主催 宮城県高等学校理科研究会生物部会
内容

【講義】『植物細胞の動きを見ながら、進化を考える』

【実習】陸上植物(被子植物、コケ植物)・藻類(緑藻、紅藻)の細胞伸長や分裂の観察
【講師】日渡 祐二 ( 宮城大学 食産業学群 生物生産学類 教授 )

タイムテーブル

・09:15~09:45受付

・09:45~10:00開会

・10:00~15:30実習・講話

・15:40~16:00教材配布

・16:00~16:15閉会・解散

※中堅教諭等資質向上研修(旧 10 年経過研)対象の研修として、高等学校において生物教育に携わる教員の指導力向上及び授業における実験実習の実施推進に資することを目的としたワークショップです。

講師プロフィール

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