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22.12.13
食産業学群・三上教授が監修した「かがくのとも2023年1月号『のり』」が福音館書店より発売中
食産業学群三上浩司教授は、植物分子生物学、水圏植物生理学、海藻生物学を専門分野として、海藻の生き様を解明し応用することで宮城県産ノリのトップブランド化を目指した研究に取り組んでいます。このたび、三上教授が監修したこども向けの絵本「かがくのとも2023年1月号『のり』」が福音館書店より発売となりましたのでお知らせいたします。
かがくのとも 2023年1月号「のり」
子どもたちが大好きな海苔。じつは海藻なのですが、人が海に“畑”を作って収穫します。海苔の畑は、山から流れる川の水と海水とがまざりあう場所に、海苔の胞子をつけた網を張って作ります。生長したら船で収穫し、四角い形にして、乾かして焼くと完成! 山・川・海・太陽の恵みを受け、様々に姿を変えながら、栄養満点の美味しい焼き海苔になるまでを描きます。
- 出版元:福音館書店
- 発行年月日:2023年1月1日
- 著者:佐武 絵里子 絵・作
- 監修:三上 浩司(食産業学群教授)
※本書は三上教授を介して割引価格で購入できます。
三上教授が内容・文章を約一年かけて監修/絵本作家の佐武絵里子さん絵・作
山、川、海の全てが健全であることで美味しい海苔ができることを伝える
本書は千葉県のノリ漁師さんへの時間をかけた取材に基づいて、日常の食卓にあって当たり前となっている海苔がどのようなものなのか、どのように作られているのかを丁寧に伝えています。高度な内容であるものの、5~6歳向けに全ページ絵とこども向けの平易な文章でわかりやすく構成されています。
絵本作家の佐武絵里子さんは、こどものころ板海苔を透かして見ると小さな葉がたくさん集まっているのを見て、海苔の秘密を発見したようで嬉しかったということです。そのような体験もあって、ノリの絵本を作りたいと思っていたそうです。特に山、川、海の全てが健全でないと美味しい海苔が作られないことを強調しており、これはこどもに地球環境の保全・保護の必要性を伝えるものと感じられます。
三上教授は「宮城県ではノリ養殖が盛んですが、なかなかどのように行われているのかを知る機会が少ないようです。ぜひ宮城大学の学生の皆様に読んでいただきたい、また教職員の方々にも手に取っていただき、小さなお子様がいる場合は読んで聞かせてあげてほしいと思います。内容が濃いので大人でも多くの発見があるでしょうし、海苔について多分知らないことが多くあるはずです。」とコメントを寄せています。
ぜひ、今後も三上教授の研究にご注目ください。
研究者プロフィール
・三上 浩司:食産業学群 教授(プロフィールリンク)
植物分子生物学、水圏植物生理学、海藻生物学を専門分野とし、海苔の原材料であるスサビノリやウップルイノリなどの原始紅藻を研究材料として、発生・形態形成・環境ストレス応答などの基礎研究や、それらの知見を活かして、例えば地球温暖化のノリ養殖業へのダメージを緩和するための技術開発や高温耐性品種の作出などの応用研究を行っています。また、日本応用藻類学会の会長を務め食産業学群に学会本部を設置するなど、宮城県を中心とした「東北から世界に向けた海藻研究成果の情報発信」にも取り組んでいます。
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日本応用藻類学会