新着情報
21.12.01
11/16食産業政策研究室の学生がみやぎ生協「農福マルシェ」で分身ロボットOriHimeパイロットと農福連携の普及・啓発活動を実施しました
農業生産現場では、障害者の方々が農作業等で活躍する「農福連携」の取組が広がりつつあります。しかし、一般消費者の認知度はまだ低く、農福マルシェで生産物を直接販売する機会があっても、普及・啓発する人材も不足していることが課題となっています。
これらの課題の解決をめざし、11月16日にみやぎ生協新井店で農福マルシェと分身ロボットOriHimeを用いたICT在宅就労を連携した取組として実施しました。今回の取組では、重度身体障害者のOriHimeパイロットと食産業政策研究室の学生がタッグを組み、障害者就労の実現のみならず、農福連携の普及・啓発の新たな形に挑戦しました。
<関連>
【第3弾】農福マルシェみやぎを宮城生協荒井店で開催、ICT 在宅農福連携(取組概要)
【第2弾】仙台三越で分身ロボットOriHimeを用いたICT在宅農福連携モデル実証実験
【第1弾】仙台三越で分身ロボットOriHimeを用いたICT在宅農福連携モデル実証実験
想定より多い来客にトラブルも
学生とOriHimeパイロットが連携し臨機応変に対応
当日は、想定以上の来客があり、販売する商品がほぼ無くなったため予定を約1時間早めて終了することになりました。開始時には、OriHimeがネットワークに上手く接続できなかったり、お客様の流れを受けて、想定していた学生とOriHimeパイロットの連携の仕方をその場で変更するなどトラブルがありましたが、両者の臨機応変な対応によりトラブルを解決し、多くのお客様とOriHimeパイロットと触れ合える場をつくることができました。
宮城県から農福連携事業を受託している(株)東京商工リサーチ東北支社調査部部長 横尾知明氏は「一般消費者の方にPRする最大の機会の『農福連携マルシェ』も今年で4回目を迎えました。コロナ禍で縮小することになりましたが、作田先生はじめゼミ生の方、そしてOriHimeのお蔭で単なる販売会から、障害者の方の活躍の場が拡がるマルシェとなりました。そして1店舗平均売上も過去最高を記録!本当に有難うございました。」とのコメントがありました。
今回の取組を通じて、食産業政策研究室の作田教授は「同研究室で取り組んできたICT在宅農福連携の新たな展開方向として、障害者が実際の農作業に携わる『農福連携』との連携や取組への学生の参画と貢献が今後の検討課題として位置づけられるようになったのではないか」とコメントを寄せました。
農福連携とは
障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取り組みです。農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む地域の農業・食品分野において、新たな働き手の確保につながる可能性があります。しかし、これまで取り組み事例がほとんどなく、具体的な事例を示すことで活動や普及の促進が期待されます。農福連携の推進は SDGs(持続可能な開発目標)の 10 の目標を推進できるとされています。
農福マルシェみやぎとは
農福連携の普及、啓発を目的として宮城県が実施主体として推進している事業です。農福連携に取り組んでいる農業事業者や福祉事業者の生産した農産物や加工品を、大きな商業施設で販売会を実施することにより、一般の方々に農福連携を幅広く知って頂くことが主な目的です。また、実際に農福連携に取り組んでいる農業事業者や福祉事業者の交流の場所でもあります。特に福祉事業者の生産する農産物や農業加工品は販売する機会が余り多くないことから、マルシェのようなイベントを通して障害者等の働く場の拡大や生きがいの向上につながるように取り組んでいます。
株式会社オリィ研究所
「孤独の解消」をテクノロジーで解決することをミッションとし、遠隔操作でありながら、「その場にいる」感覚を共有できる分身ロボット「OriHime」、難病や身体障害があっても、目の動きだけで意思伝達を行える「OriHime eye」。テレワークにおける身体的社会参加を可能にする分身ロボット「OriHime-D」の開発と、これまで難病や重度障害で就労を諦めていた方たちが、社会と繋がり「誰かとともに働く」ことができる「分身ロボットカフェ」などの取り組みを行なっています。「OriHime」は株式会社オリィ研究所の登録商標です。
※「OriHime」は 2021 年度グッドデザイン大賞を受賞しています。
研究者プロフィール
・食産業政策研究室 作田 竜一:食産業学群 教授
食の安全政策のみならず、現代社会の幅広い課題を「食と農」、「地域」の幅広い観点から政策課題として捉え、講義や調査研究、社会への発信を行っています。また、食と農がそもそも有する持続可能性に特に着目し、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界の実現への貢献も研究対象としています。
<関連>
食産業政策研究室の学生達が太白キャンパス周辺の人来田地区で「食」と「地域の暮らし」に関する調査と情報提供を行いました
食産業学群公開講座「SDGsセミナー」を開催しました
公開講座2019「いつの間にか変わったの?食べ物の安全の常識!―科学で分かってきた食べ物の安全のリ・ク・ツ―」(作田先生)を開催しました
【研究室紹介】フードマネジメント学類の研究室を訪ねてみました
人来田中学校で「食育」の授業を実施/食産業政策研究室
ICT在宅農福連携モデル実証実験を開始/〈農業の人材確保〉と〈重度身体障害者の就労〉2 つの課題を ICT で同時に解決する!プレスリリース
食品ロス削減政策に直接コミットする!/学生が「私の食品ロス削減スローガン&フォトコンテスト」部門で入選/食産業政策論
仙台三越で分身ロボットOriHimeを用いたICT在宅農福連携モデル実証実験を行いました/伊豆沼農産×宮城大学/食産業政策研究室
「買い物弱者」対策として人来田地区で買い物バス運行実験を行いました/仙台南ニュータウン・萩の台町内会×食産業政策研究室
食産業政策研究室×みやぎ生協、買い物弱者対策に「小型移動店舗」人来田地区でお試し運行7/7~11仙台三越で分身ロボットOriHimeを用いたICT在宅農福連携モデル実証実験