新着情報
22.02.02
3/16~18風間教授が組織委員を務める「第99回日本生理学会大会」が仙台で開催/看護学群学生3名と助手1名も筆頭演者として発表
看護学群の風間逸郎教授は、病態生理学・内科学・一般生理学を専門分野としています。3月16日~18日の間、風間教授が大会の組織委員を務める第99回日本生理学会大会が仙台で開催されますのでご案内いたします。全国規模で行われる本大会で、風間教授は全体の運営に携わっているほか、特別招待講演の座長、学会期間中に併せて開催される研究グループ集会(第42回細胞と分子生理の集い)の代表なども務めます。
また本大会では, 本学看護学群4年生3名と看護学群助手1名が, それぞれ筆頭演者として研究発表を行います。いずれの発表内容も, 風間教授による研究指導の下, 一貫して本学・看護学群内で行われた基礎研究成果です。
開催概要
大会名 | 第99回日本生理学会大会 |
テーマ | 動的な恒常性 -変わるものと変わらぬもの- |
開催日程 | 2022年3月16日(水)~ 3月18日(金) |
会場・開催方式 | 東北大学川内北キャンパス (〒980-0862宮城県仙台市青葉区川内41) およびオンライン配信によるハイブリッド形式 |
参加方法 | 非会員の方は、期間内に直前参加登録の上、参加いただくことが可能です。期間:2022年1月15日(土)~ 2022年3月10日(木)※参加費がかかります。公式ウェブサイトをご確認ください。 |
運営事務局 (お問い合わせ) | 株式会社JTB 仙台支店 営業1課(内) 〒984-0804宮城県仙台市青葉区大町1-4-1明治安田生命仙台ビル4F TEL:022-263-6716 FAX:022-263-7481 MAIL:sendai_convention@jtb.com |
公式Web | https://www.psj2022.org/ |
看護学生3名と助手1名がポスター発表
これまで風間教授は、主に卒業研究で看護学群学生を研究指導しながら、様々な疾患で起こりうる心電図変化とそのメカニズムを、ウシガエルの心臓を用いた実験により明らかにしてきました。また、自身の基礎研究成果をもとに、新型コロナウイルス感染症や後遺症、ワクチン接種後の副反応に対する治療・予防法の可能性を明らかにしてきました。昨年度も卒業研究の学生(西野拓人さん・現JCHO仙台病院)を研究指導しながら、宮城県内における新型コロナウイルス感染症患者の特徴や問題点・感染対策についてもまとめています。本大会では、本学看護学群4年生3名(秋山唯華さん、ヨウレイナさん、先崎桃乃さん)と看護学群・桑名諒助手がそれぞれ筆頭演者として研究発表を行います。
“病態生理”のセッション
「高カリウム血症の病態生理と心電図変化のメカニズム」
看護学群4年生のヨウレイナさんは、ミネラルの一つであるカリウムが体に過剰に蓄積することにより生じる“高カリウム血症”をウシガエルで再現し、そのときに起きる心電図変化のメカニズムと治療法を明らかにしました。本研究により、医療・看護の現場でも実臨床に活用できる糸口を発見したといえます。
「薬物中毒の病態生理と心電図変化のメカニズム」
看護学群4年生の秋山唯華さんは、薬物中毒により起こりうる心電図変化に興味を持ち、そのメカニズムを明らかにするための研究を行いました。近年、社会問題となっている薬物大量摂取の早期発見のツールとしての心電図の有用性を示した意義のある研究です。
「ウシガエル心電図における急性心筋梗塞疑似所見」
看護学群・桑名諒助手は、ウシガエルの心臓を活用して心筋梗塞の擬似病態モデルを作成・解析し、心筋梗塞で起きる心電図異常メカニズム(ST波の異常波形)を明らかにしました。
“学部学生による発表”のセッション
「新型コロナワクチンの副反応に対する非ステロイド性抗炎症薬の有用性」
看護学群4年生の先崎桃乃さんは、アンケートによる調査をもとに、若年者における新型コロナワクチン接種後の副反応について、症状の種類や頻度、発症日と持続期間、副反応への対処法についてデータを集約しまとめました。そのうえで、生理学的な観点から副反応のメカニズムや薬剤の治療効果について検証し、看護師・保健師としてもワクチン接種率の向上に貢献できる可能性を導き出しました。
風間教授は「今後も、臨床から発想した研究の成果を再び臨床に還元することを目標とし、日々研究に取り組んでまいります。学生さんでも教職員の方でも、一緒に研究をやってみたい人は、是非ご一報ください。在学中だけでも“研究者”になってみたい!学会で発表してみたい!論文の著者になってみたい!という人でも構いません。いつでもスタンバイしてお待ちしております」とのメッセージを寄せました。
連絡先メールアドレス:kazamai(a)myu.ac.jp
※メールの際は、(a)を@に変換ください
日本生理学会について
生理学とは、私たちがどのような仕組みで生きているのかを研究する学問です。日本生理学会には3,000人を超える会員が所属しており、生命現象の仕組みを分子から個体までのあらゆるレベルから明らかにするための研究を日夜進めています。この研究成果は、日本生理学会大会、各地で開催される地方学術集会、日本生理学雑誌(和文学術雑誌)、The Journal of Physiological Sciences(英文学術雑誌)において発表されています。なお、風間教授は日本生理学会の評議員を務めるほか、本学会が公認する生理学エデュケーター(医学生理学教育者としての資格)にも認定されています。
日本生理学会
研究報告の詳細について
風間教授による最近の研究成果、および、これまで本学看護学群の学生を指導しながら発表してきた研究成果については、以下の和文・英文雑誌に掲載されています(いずれも風間教授がCorresponding author)。
- 若年者で新型コロナワクチン接種後に起きる副反応の特徴と病態生理にもとづく対処法の検討 (本学看護学群学生が筆頭著者)
- Potential prophylactic efficacy of mast cell stabilizers against COVID-19 vaccine-induced anaphylaxis
- Does immunosuppressive property of non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) reduce COVID-19 vaccine-induced systemic side effects? (本学看護学群学生が共著者)
- 宮城県で発生した新型コロナウイルス感染症患者の特徴 ─第 1 波 88 名の集計から見えた問題点と今後の課題─(本学看護学群学生が筆頭著者)
- Stabilizing mast cells by commonly used drugs: a novel therapeutic target to relieve post-COVID syndrome?
- Targeting lymphocyte Kv1.3-channels to suppress cytokine storm in severe COVID-19: Can it be a novel therapeutic strategy?
- Insulin accelerates recovery from QRS complex widening in a frog heart model of hyperkalemia(本学看護学群学生が筆頭著者)
- 高カリウム血症に対し大腸のカリウムチャネルをターゲットとした看護的介入(本学看護学群・庄子美智子助教が筆頭著者)
- デュシェンヌ型筋ジストロフィー女性保因者が発症するメカニズムと看護での実践(本学看護学群学生が筆頭著者)
- Catechin synergistically potentiates mast cell-stabilizing property of caffeine(本学看護学群学生が筆頭著者)
- 心電図検査における人為的ミスの発生と予防―ウシガエル心電図を用いた検討―(本学看護学群学生が筆頭著者)
- 麻疹に対するビタミンA補充療法の意義と看護現場での実践(本学看護学群学生が共著者)
- Reciprocal ST segment changes reproduced in burn-induced subepicardial injury model in bullfrog heart(本学看護学群学生が共著者)
研究者プロフィール
・風間 逸郎(かざま いつろう):看護学群教授
病態生理学・内科学・一般生理学を専門分野としております。また、内科の医師として現在も患者さんの診療に携わる中での研究は、常に臨床からの発想に端を発しており、研究の成果を再び臨床に還元することを目標としてきました。そして、遺伝子レベルでの解析から、細胞、生体レベルでの解析まで行うことにより、ミクロの研究とマクロの研究とを結びつけることを常にこころがけています。
<参考>
風間逸郎教授が腎臓の線維化における新規病態メカニズムを発見
風間逸郎教授が研究指導する学生達が「心筋梗塞でおこる心電図異常のメカニズム」を証明
風間逸郎教授がアナフィラキシーに対する新規治療法を発見
風間逸郎教授が新型コロナウイルス感染症に対する新規治療法の可能性を発見
新型コロナウイルス感染症の“後遺症”に対する治療法を発見/風間逸郎教授
麻疹(ましん)に対する新規治療法の可能性と臨床現場での有用性/風間逸郎教授が学生と報告
心電図検査における人為的ミスの発生と予防/ 風間逸郎教授が学生と報告
風間研究室の学生が「カフェインやカテキンによる抗アレルギー作用」のメカニズムを証明
女性が筋ジストロフィー(デュシェンヌ型)を発症するメカニズムを発見
宮城県における新型コロナウイルス感染症患者の特徴を明らかに/風間逸郎教授が学生と報告
マグネシウム過剰投与が引き起こす「高マグネシウム血症」心電図変化とそのメカニズムを疑似病態モデルで証明
病態生理にもとづき、高カリウム血症に対する看護的介入方法を発見
風間教授・編集の『看護技術』10月増刊号「病態生理からひもとく水・電解質異常」発刊
看護学群・風間研究室の学生が「高カリウム血症の心電図変化とそのメカニズム」を証明
新型コロナワクチン副反応に対する非ステロイド性抗炎症薬の有用性を明らかに
新型コロナワクチン接種後の“アナフィラキシー”に対する予防法を発見
若年者における新型コロナワクチン接種後の副反応の特徴を明らかに