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23.06.21
【宮城大学×ポッケの森】6/10 食産業学群の学生たちがミニポッケ祭で地域のつながりに貢献する新たなスイーツを開発・販売!!/食産業政策研究室
宮城大学食産業政策研究室(指導教員作田竜一教授)は「食を通じた持続可能な地域づくり」をテーマに、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界の実現への貢献の観点から、講義や調査研究、社会への発信を幅広く行っています。食産業政策研究室の呼びかけで、食産業学群の学生たちが仙台市太白区人来田地区の障害者就労継続支援 B 型事業所である「ポッケの森」と新たなスイーツの企画・開発。 6 月 10 日に開催された地域交流イベント「ミニポッケ祭」に参加し、販売しましたのでお知らせいたします。
誰かに『教えたくなる!』をキーワードに4点の商品を開発
ポッケの森では、利用者である障害者(主に知的障害者)の「やりがいのある仕事」でみんなに『認められたい』『喜んでもらいたい』を実現するため、日々菓子厨房で、その方のスキルに応じて「決められた長さに切る・グラム数を量る、混ぜる、トッピング等の仕事でスイーツづくりを行っています。これらのスイーツは、その販売収益が利用者さんの工賃(給料)になります。今回の企画に参加したのは食産業学群の13名、学生たちは、障害者施設のスタッフやパティシエのみなさんと連携して、利用者の作業がし易いことと、販売増(工賃アップ)につながること、さらに誰かに『教えたくなる!』などのスイーツの魅力の両立を目指して、商品の命名も含む企画・開発に参加しました。
コラボスイーツ「MYUの森(宮城大学×ポッケ)」第1弾4品のご紹介!
フルーツスティック
パイ生地を障害者さんの作業がし易いスティック状にカットし、コーティングとトッピングで魅力を出すことを目指しました。しかし、コーティングで苦戦。当初案のチョコレートは持ち帰りの際に溶けてしまうことが心配で、水あめに変更したものの障害者さんの作業が難しいことが判明、最終的にアイシング(粉糖+レモン果汁)でドライフルーツやナッツをトッピング。
チーズケーキサンド
スティック状のパイ生地でチーズケーキを挟み、接着にオレンジマーマレードを使用。味の組合せや色味であんずジャムと意見が割れたが原価的にこちらに最終決着。障害者さんの工賃(給料)確保と理想の追求の調整の難しさを知りました。
タルト風フルーツパイ
見た目、いろどり、季節感とみんなに教えたくなる一押し商品企画。試食の時に、生クリームだけでは甘すぎるという意見が出たため、下にカスタードクリームを入れて甘いのが苦手な人にも食べやすく工夫しました。。
マドにゃん
タルト風フルーツパイの円形の生地を四角形の元生地から切り取った残りがもったいないとのSDGs的発想からできた商品。三角形の耳が主役です。顔も学生がチョコペンで描いたので個性豊かなダイバーシティ、SDGsの実現です。
学生たちはポッケの森のスタッフやパティシエさんとディスカッションしながらこれらスイーツを企画、ミニポッケ祭の前日には利用者らと役割分担して製作に励みました。当日はイベントの設営や、受付・会計などの運営、近隣の来場者や児童らを楽しませるキッズコーナーの運営なども行い活躍しました。
参加した学生たちからは、「商品製作のアイデア出しから製造、販売まで最初から最後まで携わることができ、初めての経験も多く、貴重な体験をすることができた」、「自分たちが企画したスイーツが実際に販売されて買ってくれる方がたくさんいることがとても嬉しく感じました」、「地域一体となっている感じがとても伝わってきてボランティアに参加できて良かった」など、スイーツ作り体験に留まらない多くの気づきがあったようです。
ポッケの森事業推進統括担当 星野 幸 様からは「短い期間ではありましたが、学生さん達とディスカッションを重ねながら、素敵な新たなスイーツが完成しました。ポッケの森においては障害のある利用者さん達が主体的に作業に関われることに加え、お客様にも満足して選んでもらえる商品づくりを目指さなくてはなりません。学生さんたちの柔軟な発想や視点から今までにない商品を作り上げることが出来、大変感謝しております」とコメントが寄せられました。
今回の活動の指導にあたった作田教授は「学生たちは、ポッケさんのきめ細かなご配慮により、スイーツのアイディア出しからネーミング、製造、当日は商品を説明しながらの販売だけでなく、イベントの運営サポートまでトータルな経験を積むことができました。連携・分担して作業をした障害者の方々や、小さな子供からお年寄りまでの幅広い地域のお客様と対応する中で、社会に貢献することについて様々な気づきがあったと思います。地域の皆様からもたくさんお声がけをいただき、地域と大学の関係を考えるとても良い機会になったと考えます」としています。今後の活動にご注目ください。
実施概要
イベント名 | ミニポッケ祭 |
開催日時 | 2023 年 6 月 10 日 ( 土 )11:00~14:00 |
場所 | ポッケの森レストラン (982-0222 宮城県仙台市太白区人来田 2 丁目2-1 ) |
主催 | 社会福祉法人ぽっけコミュニティネットワーク(ポッケの森)、宮城大学食産業政策研究室 |
ポッケの森について
ポッケの森は仙台市太白区人来田にある「障害者就労継続支援 B 型事業所」です。知的障害者を中心とする利用者のみなさんの生活の拠点を確立するため、永久に続く就労の場を確保し、地域社会の一員として生きがいを持ち、安心と希望に満ちた生活環境を保障することを目指しています。また、食を通じて地域につながることをモットーに、地域の人が日常的に利用しやすく、利用者との交流も積極的に図っていける、地域に開放された施設として様々な活動を展開しています。
ミニポッケ祭とは
2006 年にポッケの森が開所して以来、日頃ご理解頂いている地域の方に楽しんでもらう「ポッケ祭」を毎年開催(コロナのため 4 年間中止)。昼は地域のサークル団体等のステージ発表の場や屋台、縁日ブースを設け、最後は打ち上げ花火が恒例。今回は企画をコンパクトにしたミニポッケ祭として開催しました。
研究者プロフィール
・食産業政策研究室 作田 竜一:食産業学群 教授
食の安全政策のみならず、現代社会の幅広い課題を「食と農」、「地域」の幅広い観点から政策課題として捉え、講義や調査研究、社会への発信を行っています。また、食と農がそもそも有する持続可能性に特に着目し、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界の実現への貢献も研究対象としています。
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