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23.10.13
10/3人来田地区の高齢者を対象に「共食」をテーマとした稲刈りイベントを坪沼農場で開催しました/食産業政策研究室
宮城大学食産業政策研究室(指導教員作田竜一教授)は、「食を通じた持続可能な地域づくり」をテーマに、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界の実現への貢献の観点から、講義や調査研究、社会への発信を幅広く行っています。また、太白キャンパスの近隣地区との交流や、地域課題の解決にも取り組んでいます。10月3日に、太白キャンパス近隣(人来田地区)の高齢者を対象に、宮城大学坪沼農場において「共食:家族や仲間が食卓を囲んでコミュニケーションをとりながら食事をすること」をテーマとした稲刈りイベントを開催しました。
コロナ禍で失われた高齢者の交流の機会の再開と地域活性化を
人来田地区の高齢者と「共食」をテーマに、坪沼農場で稲刈り体験を実施
この数年間、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、高齢者の地域交流の機会がほぼ失われる状況となりました。5月からの新型コロナウイルス感染症対策の5類感染症移行後、各地で様々な活動が再開していますが、一度失われた高齢者の地域活動を再開するきっかけは少なく、高齢者の活動の停滞、孤独化や健康への悪影響が懸念されています。太白キャンパス近隣の人来田地区においても同じ地域課題に直面しており、食産業政策研究室では、食を通じた活動でこれらの課題を解決するため、坪沼農場という場所・稲刈りという行為自体が持つイベント性に着目し「稲刈り体験」「稲刈りにちなんだ共食」をメインとしたイベントを企画・実施。当日は人来田地区の高齢者14名が参加しました。
稲刈り体験
稲刈りは、昔やったことがある方、初めての方、様々でしたが、指導に来ていただいた生物生産学類のイネの研究者である鳥羽大陽准教授にイネの栽培品種の今昔などの質問が出るなど、和気あいあいと作業を進めました。
稲刈りにちなんだ共食
作業後は、稲作農家へ「昔の稲刈りの際の中間食は?」との聞き取りから、梨とおにぎりを中心としたお弁当で共食。秋の温かい日差しの下で、昔話から今後の地域活性化の取り組み方まで話の輪が広がりました。
今回の活動の指導にあたった作田教授は「天気にも恵まれ、非常に明るく楽しい雰囲気で、農場や食といった地域資源を活用した高齢者の交流活動促進の可能性を探る取り組みとなった。今後の大学と地域の連携を考える上でも良い機会になったのではないか。」とコメントを寄せています。食産業政策研究室では、この他にもポッケの森レストランとのコラボスイーツ企画など様々な地域連携活動を展開する予定ですので、今後の活動にご注目ください。
宮城県消費・安全対策交付金
本活動は宮城県消費・安全対策交付金による「共食の場における食育活動」と「農林漁業の体験の機会の提供」を活用した事業です。「消費・安全対策交付金」は、農林水産省による地域での食育の推進の取り組みのひとつであり、都道府県を通じて支援が行われます。第4次食育推進基本計画に掲げられた目標である、「地域等で共食したいと思う人が共食する割合を増やす」、「農林漁業体験を経験した国民を増やす」などの達成に向けて、地域の関係者等が連携して取り組む食育活動を重点的かつ効率的に推進しています。その際、多世代交流やこども食堂等の共食の場の提供等に関する取り組み、食育推進基本計画の重点事項であるデジタル化に対応した取り組みや持続可能な食を支える食育活動を優先的に支援するものです。
研究者プロフィール
・食産業政策研究室 作田 竜一:食産業学群 教授
食の安全政策のみならず、現代社会の幅広い課題を「食と農」、「地域」の幅広い観点から政策課題として捉え、講義や調査研究、社会への発信を行っています。また、食と農がそもそも有する持続可能性に特に着目し、SDGs(持続可能な開発目標)が目指す世界の実現への貢献も研究対象としています。
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