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25.04.14

【食産業学群×人来田】人来田学区連合町内会と高齢者の地域活動を食育から促進する取り組みを実施(令和6年度)

宮城大学は、太白キャンパスに隣接する人来田学区連合町内会と連携協定を締結し、地域内の小・中学校、障害者福祉施設、社会福祉協議会等の幅広いステークホルダーを交えた「連携の場」を形成し、地域課題解決のさらなる促進を目指し様々な活動を展開しています。令和6年度は「共食」を軸とした地域活動を9月~1月までの期間に全7回実施しました。

人来田地区の高齢者と「共食」をテーマに、お茶っこのみや稲刈り体験を実施

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により高齢者の地域交流の機会がほぼ失われる状況となりました。現在では、各地で様々な活動が再開していますが、一度失われた高齢者の地域活動を再開するきっかけは少なく、高齢者の活動の停滞、孤独化や健康への悪影響が懸念されています。太白キャンパス近隣の人来田地区においても同じ地域課題に直面しており、食を通じた活動でこれらの課題を解決するため、下記のようなイベントを展開しました。

  • 共食の場である「お茶っこ飲み」の復活
  • 公園を活用することで、より参加し易い共食の場の検討(公園カフェ)
  • スマートフォンを通じた大学生も含む多世代共食の場の検討(スマホカフェ)
  • 高齢者を対象とした稲刈り体験
  • 伝統食の調理体験(おはぎ作り体験)

同地域の高齢化率が42%と非常に高いこと、日常生活に必要な食料品店の不足、公共交通機関の利便性の低さなどの現状課題がある中で、これら取り組みを通じて「連携の場」を構築し、食を起点とした住み続けられる地域社会の実現を目指し、今後も取り組みを継続していく予定です。

人来田学区連合町内会について

人来田学区連合町内会は、宮城大学太白キャンパスに隣接する地域の人来田小学校の通学区を中心とする5町内会の連合体です。本地域は仙台市の丘陵地の上部を開発したニュータウンであり、本学太白キャンパスも含めた1つの地区を形成しています。令和4年度で総世帯数は約3,000、約6,400人が生活し、宮城大学の学生も100人程度居住していますが、地域の65歳以上の高齢化率は42%と高く、内閣府が示す高齢社会白書の40年後の高齢化率推計値である38.4%を上回っています。また日々の生活に必要な食料品店へのアクセスなど、地域の持続性を維持する上での多くの課題を抱えており、同連合町内会が地域の幅広い関係者・組織が連携するためのプラットフォーム的な役割を担う組織体となっています。

宮城県消費・安全対策交付金

本活動は宮城県消費・安全対策交付金による「共食の場における食育活動」と「農林漁業の体験の機会の提供」を活用した事業です。「消費・安全対策交付金」は、農林水産省による地域での食育の推進の取り組みのひとつであり、都道府県を通じて支援が行われます。第4次食育推進基本計画に掲げられた目標である、「地域等で共食したいと思う人が共食する割合を増やす」、「農林漁業体験を経験した国民を増やす」などの達成に向けて、地域の関係者等が連携して取り組む食育活動を重点的かつ効率的に推進しています。その際、多世代交流やこども食堂等の共食の場の提供等に関する取り組み、食育推進基本計画の重点事項であるデジタル化に対応した取り組みや持続可能な食を支える食育活動を優先的に支援するものです。

研究者プロフィール

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