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24.04.30
佐藤宏樹准教授らによる「やわらかい乗り物-『poimo』」がトーキン科学技術賞-トーキン財団奨励賞を受賞(4月28日河北新報掲載)
事業構想学群佐藤宏樹准教授は、メディア表現や電子デバイス、インタフェースをはじめとする情報技術を土台に、伝統に培われた哲学や生活文化となめらかに接続し、共に進化する新しい文化の創出方法を探究しています。佐藤准教授が研究を主導している「poimo」が、2022年1月に米国・ラスベガスで行われたCES 2022、2022年6月にフランス・パリで行われたVivaTech 2022 、2022年8月にカナダ・バンクーバーで行われたACM SIGGRAPH 2022の他、2021年11月に幕張メッセ行われたデジタルコンテンツ EXPO(DCEXPO)2021など多数の見本市に出展され、新しいモビリティとして注目を集めています。また、これら研究は2024年に公益財団法人トーキン科学技術振興財団による「第34回トーキン科学技術賞-トーキン財団奨励賞」を受賞しました(2024年3月追記)。
2024年2月、宮城県のメディアであるミヤギテレビ番組内でもご紹介いただいたほか、6月に仙台放送の番組内でもご紹介いただきました。また、Youtube「ミライストリーム最先端のミライを覗く」でもご紹介いただいています。
「やわらかい乗り物-『poimo』ふくらむ・たたんで持ち運べる風船構造パーソナルモビリティ」
やわらかい乗り物-『poimo』/そもそもパーソナルモビリティとは?
電動のキックボードや自動搬送ロボット、デザイン性に優れた電動車椅子など、超小型の新しいモビリティが注目されています。個人で利用することからパーソナルモビリティとも呼ばれるこれらの乗り物は、現在各地で実証実験が進められており、多様な交通手段のひとつとして法的にも認められつつあります。一方で、乗り心地の良さや安全性、ユーザーの嗜好に合わせたカスタマイズ性などには改善の余地があります。
研究チームは、poimo(ポイモ, Portable and Inflatable Mobility)と呼ばれる独自の風船構造を持ち、軽量でさまざまな形状を実現可能なパーソナルモビリティのシリーズを開発してきました。poimo(ポイモ)は風船のような構造で、丈夫な布を空気で膨らませた構造をボディに採用しています。電動モータとバッテリーで動き、ボディが軽量で、空気を抜けば折りたたんで持ち運ぶことができるユニークな乗り物です。
佐藤准教授は、研究プロジェクトリーダーとして企画立案やプロトタイプの作成、マネジメントを担当。特に移動体験の新しさと利便性の両立を目指し、空気膜構造を扱ったこれまでの研究とデザインの知見を活かして様々なタイプのpoimoを企画・制作しました。
カナダのバンクーバーで開催されたSIGGRAPH 2022では、これまで開発された様々な形状のpoimoや関連するやわらかいインタフェースが展示され、多くの来場者が体験しました。今回初お披露目された新しいソファ型のpoimoは、電動車椅子の国際規格に基づいて走行性能が再設計され、多くの人が利用しやすいように操作系やボディ形状がリデザインされています。体験者からは、軽くコンパクトに収納でき、何より風船型のモビリティに実際に乗車して走行できることに驚きの声が多く聴かれました。
近い将来、モビリティは郵送できたり、必要な時に取り出せたりするものになるかもしれません。佐藤准教授は「インフレータブル(空気膜)構造の大きな特徴は、重さを変えずに体積が大きなプロダクトを作れることです。国民的な漫画でポイっと投げるとバイクや住居が現れる手のひらサイズのカプセルが登場していて、それもイメージの一つとしてpoimoと名付けました。利便性だけではなく、未来や夢を感じられるデザインを研究を通して生み出していきたいと思っています。」とコメントしています。今後も研究チームは、実際に社会で利用されるパーソナルモビリティの実現を目指し、poimoシリーズの普及に向けたさらなる改良と実証実験に取り組んでいく予定です。
CES 2022について
Consumer Technology Association (CTA)が主催するCESは、北米を代表するカンファレンスとして、常に時代の先端を追い続けています。80年代の民生機器を中心としたハードウェア企業中心の時代から近年のアマゾン、グーグルといったテクノロジー企業からトヨタ自動車といった自動車メーカーまでが参加しており、世界の最先端テクノロジーが集結する最大級のイベントとなっています。
VivaTech 2022 について
Viva Technologyは、VivaTechはフランスの経済紙Les Echosおよび広告代理店Publicis Groupeが主催する欧州最大規模のカンファレンスで、2016年からフランス・パリで開催されており、大企業とスタートアップによるオープンイノベーションをテーマとしています。
ACM SIGGRAPH 2022 について
ACM SIGGRAPHはコンピュータグラフィクス分野を対象とするACM(米国コンピューター学会)の分科会であり、毎年夏に同分野における世界最大規模の国際イベントとして開催されています。学術的な研究成果の発表の場であるとともに関連産業における最新成果の発表の場でもあり、採択された学術論文はトップ論文誌であるACM Transactions on Graphicsにも掲載されます。SIGGRAPH 2022は8月にバンクーバーで開催され、247件の研究が発表されました。「poimo」は、最新技術の展示・実演をするEmerging Technologies部門において発表されました。
デジタルコンテンツ EXPOについて
デジタルコンテンツ EXPOは 2008年より実施されている先端技術とコンテンツをテーマとした国際イベントです。コンテンツ産業とエンターテインメント産業の新たなビジネス創出の機会となることを目指し、新しいメディアの未来と可能性を発信し、多様で先駆的な表現テクノロジーやコンテンツを体験する場として展開します。会場では、コンテンツ産業とエンターテインメント産業のイノベーションとビジネスを生み出す先進映像技術や先端コンテンツ制作技術が紹介されています。(2022年度は11月16日~18日、幕張メッセで開催)
「poimo」共同研究グループについて
- 宮城大学 事業構想学群准教授 佐藤 宏樹
- 明治大学 理工学部 機械情報工学科 複雑ロボットシステム研究室専任講師 新山 龍馬
- 東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻特任講師 鳴海 紘也、教授 川原 圭博
- 法政大学 デザイン工学部客員准教授 Seong Young ah
- 東京大学 大学院情報学環 元修士課程学生 渡辺 啓介、教授 筧 康明
- 株式会社メルカリ mercari R4Dリサーチャー、山村 亮介
※poimoの一部は、JST ERATO(助成番号JPMJER150)および株式会社メルカリの支援を受け、共同で開発されました。
研究者プロフィール
- 佐藤 宏樹:事業構想学群 准教授
情報技術や素材が日進月歩する中で、デザインの視点から私たちはどのような未来を作り上げることができるのか。また、現代の技術によって私たちの文化や価値観はどのようにアップデートしていくことが可能なのか。メディア表現や電子デバイス、インタフェースをはじめとする情報技術を土台に、伝統に培われた哲学や生活文化となめらかに接続し、共に進化する新しい文化の創出方法を探究しています。
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