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22.11.14

新型コロナウイルス感染症の第6波と第7波における若年者の症状の特徴を明らかに/看護学群・風間教授と宮城大学事務局が調査

宮城大学ではこれまで、教職員が一体となって学内での新型コロナウイルス感染症対策を行ってきました。看護学群に所属する風間 逸郎教授らが宮城大学事務局と共同で、新型コロナウイルス感染症の第6波と第7波における若年者の症状の特徴や、ワクチン接種との関連などについてまとめたうえで、その提言の一部を、看護技術2022年11月号に発表しましたのでお知らせいたします。

調査により明らかになった、新型コロナウイルス感染症・第7波における症状の特徴
第6波に比べて症状の頻度や程度が強く、より多彩に

2019年末より、世界中で感染拡大と収束を繰り返している新型コロナウイルス感染症。未だ終息の兆しが見えない中、最近の流行の主流になっているオミクロン株では、以前に比べて軽症例が多くなったとされていますが、症状の特徴など、詳しいことは実はまだよく分かっていませんでした。

    図1、新型コロナウイルス陽性者の症状と頻度、A第6波、B第7波

    今回、風間教授らは若年者を対象として、集計された症例の特徴をまとめ、その傾向を分析する調査を実施しました。調査の結果、新型コロナウイルス陽性となった若年者では以下の結果が得られました。

    • 第6波・7波ともに、発熱のほか、喉の痛み、咳、鼻汁が多く、これらの上気道症状がすべて揃う割合も高い【図1】。
    • とくに本年1月~6月の第6波では、無症状者の割合が高く、普通の風邪と見分けがつきにくいという特徴があった【図1A】。

    これに対して、7月より始まり、これまでにない感染者数の増加をもたらした第7波では、以下の内容が示唆されました。

    • 第6波に比べて全体として有症状者の割合が高く、いずれの症状の頻度も高い【図1B】。
    • 第6波に比べてより高熱を呈するなど、各症状の程度も強い。
    • 従来の新型コロナウイルス感染症でみられたような、全身倦怠感や頭痛を訴える陽性者の割合も高く、一部では、味覚・嗅覚障害も認められた【図1B】。

    ワクチン接種状況との関連/感染終息のための“切り札”であることには変わりなく

    第6波・7波ともに、ワクチンを接種した回数に関わらず、最後の接種から5ヶ月以上経過した場合には、未接種者と同程度に感染しやすくなることが分かりました【図2】。

    図2、新型コロナウイルス陽性者におけるワクチン接種の状況、A第6波、B:第7波

    一方で、最後のワクチン接種から5ヶ月未満であっても、感染するリスクがあることも分かりました(“ブレイクスルー感染”)。しかし、オミクロン株に対しても、ワクチン接種による重症化予防効果は、依然として高く保たれていることが証明されています。実際、本調査でも、すべての陽性者が軽症のまま治癒し、社会復帰しています。従って、新型コロナウイルス感染症の終息のためには、ワクチン接種が切り札であることには変わりがなく、今後も引き続き、ワクチン接種を進めていくことは重要であると考えられます。

    現在のコロナ禍で、看護師をはじめ医療従事者が果たすべき役割

    第7波では、第6波にくらべて自覚症状が強い分、PCR検査でなくても、抗原検査キットを用いて陽性と判定できるケースが多くなっていました。とくに若年の軽症者であれば、抗原定性検査による自己診断を普及させ、自宅療養を進めることは、検査体制や医療体制の逼迫緩和にもつながります。ただし、そのためには、健康フォローアップ等、自宅療養者へのサポートは不可欠であり、看護師を中心とした医療従事者が果たす役割はますます大きくなるといえるでしょう。また、個人で抗原検査キットを購入する際には、国の承認を受けた信頼性の高い製品選ぶべきことなど、一般人に対する正しい医療知識の教育も重要になります。さらに、ワクチン接種についての正しい知識を人々に伝え、その接種率の向上に寄与していくことも、感染終息のためには欠かせない、医療従事者の大切な務めであるといえます。

    今、職場や学校でとるべき感染対策について

    オミクロン株が主流を占めるようになった第6波や7波では、軽症者が多いにもかかわらず感染者数が急増し、とくに高齢者では、持病の悪化や全身の衰弱により、死亡者数が増加しました。しかし、自覚症状が強く、多彩になっている分、有症状者への水際対策を徹底しやすく、これまでに比べ、職場や学校における感染拡大を防ぎやすくなったとも考えられます。逆に、無症状の濃厚接触者に対しては、これまでのような長期間の隔離を行う意義が薄れつつあるとも考えられます。今後は、抗原定性検査キットの活用、ワクチン接種の推進に加え、リスクの高い高齢者やその周囲の若年者が感染しないよう、引き続き、正しいマスクの着用や効果的な換気の徹底、日常生活の摂生や自己健康管理等、基本的な感染対策も続けていく必要があります。

    11月現在、感染者数が再び増加しはじめ、第8波の到来や、今冬にはインフルエンザと同時流行する可能性も高くなってきています。一方で、新型コロナウイルスは、これからも変異を続けていくことでしょう。しかし、感染力や重症化率など、変異株の性質を正しく把握したうえで正しく恐れ、対処していけば、社会経済活動との両立は可能です。これまで通り、正しいマスクの着用や効果的な換気の徹底、日常生活の摂生や自己健康管理等、基本的な感染対策を続けていくことが重要です。

    研究報告の詳細について

    本調査内容にもとづいた提言の一部は、10月20日付けで「看護技術」2022年11月号(メヂカルフレンド社)でも紹介されています。なお、本学ではこれまでも、看護学群を中心に、新型コロナウイルス感染症や後遺症、重症化が起きるメカニズム、ワクチン接種後の副反応に対する治療法または予防法の可能性を明らかにし、英文・和文雑誌に報告してきました。また、宮城県内における新型コロナウイルス感染症患者の特徴や問題点・感染対策についてもまとめ、和文雑誌に報告しています。

    <参考>

    <論文>

     

    研究者プロフィール

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