Keyword

ウシ、不妊、人工授精、妊孕性の診断、OPU

ウシの妊孕性向上のための妊孕性診断キットの開発

小林 仁

食産業学群

小林 仁

Kobayashi Jin

教授/博士(農学)

研究内容・実践活動

今、家畜に異変が起きていることをご存じでしょうか。
乳用牛や肉用牛の受胎率の低下が、30年間も続いています。受胎率の低下は、牛乳や子畜の生産効率を悪化させるため、農家の経営を左右する重要な問題になっています。
一方、乳用牛の乳量は継続的に増加が続いています。乳用牛1頭あたりの平均乳量は、平成元年は7,705kgでしたが、毎年のように増え続け、平成25年には9382kgにまで増加しています。肉用牛では、平成3年度の牛肉輸入自由化以降、輸入牛肉との差別化のため、高度に脂肪交雑の進んだ牛肉の安定生産を目指した改良が進められてきました。
このような家畜の改良が、現在進行している受胎率の低下をもたらしているのでしょうか。
残念ながら、未だにその因果関係は明らかとなっていません。しかし、寿命や繁殖性を最大にするカローレベルはそれぞれ異なっており、繁殖性を最大にすると寿命は制限を受けることが報告されています(図1, 2)。この関係を家畜に当てはめた場合、摂取カロリーを増加させると、寿命や繁殖性が抑制されるとも考えらます。
そこで、私たちは摂取カロリーやエネルギーバランスに着目して繁殖性との関係について、研究を行っています。

図1 乳用牛の乳量と人工授精の受胎率

図1 乳用牛の乳量と人工授精の受胎率

図2 摂取カロリーと平均寿命、生殖効率、畜産物生産性の関係(仮説)

図2 摂取カロリーと平均寿命、生殖効率、畜産物生産性の関係(仮説)

産学官連携の可能性

・ウシの受胎率の低下には、さまざまな原因が考えられます。
繁殖牛では、痩せ過ぎ(削痩)でも太り過ぎ(過肥)でも妊孕性が低下することが知られています。また、先天的に生殖器に障害があり不妊の個体や発情の見逃しや不適切な凍結精液の取り扱いなど技術的な問題から不妊となっている場合もあります。このため、まず不妊となっている原因が、栄養によるものなのか、それ以外の要因によるものか判断する必要があると考えました。
そこで、検査時の栄養状態を示すマーカーを策定し、マーカーを基に妊孕性を数値化するキットの開発を行っています。獣医薬の販売、開発を行っている企業様との連携を希望致します。

TOP