Keyword
災害看護教育、ICT教材、教育的介入、実践的コンピテンシー、地域防災力
DXと産学官連携でつなぐ防災・減災・復興の未来〜ともに築く、安心の未来へ。DXと災害看護学の挑戦〜
研究内容・実践活動
近年、地震や台風などの自然災害の多発により、看護職には被災者の安全確保、トリアージ、応急処置、感染症管理、避難所運営、メンタルヘルス支援といった包括的な災害看護学実践能力が求められています。私は臨床看護の実践に加え、日本DMAT隊員や災害支援ナースとしての現場経験を重ね、災害看護教育における課題の把握と教育的介入の検討に取り組んできました。現在は、災害の超急性期から慢性期に対応可能なICTを活用した教育教材の開発に注力し、看護学生の実践的コンピテンシー向上を支援する教育プログラムの構築を進めています。また、NPO法人救命救急と医療安全を学び実践する会での活動を通じ、平時の救急医療・医療安全の普及啓発が災害時のレジリエンス強化に資する可能性についても探究しています。今後は、災害看護学教育の質的向上および実践力強化に資する研究を深化させ、地域・社会の防災力向上に寄与していきたいと考えています。
災害医療を学ぶにあたりお世話になった方々
国際緊急援助隊導入研修で共に学んだ仲間たち
産学官連携の可能性
災害看護教育やICT教材の研究成果を基盤に、政府・地方公共団体(官)、民間企業(産業)、大学・研究機関が協力する産学官の連携を通じ、今後、社会貢献に取り組んでいきたいと考えています。自治体では防災研修や避難所運営訓練、企業では従業員向けの災害対応研修やBCP策定支援、医療機関では多職種協働訓練や災害拠点病院の支援など、多様な連携が期待されます。公立大学法人に籍を置き、教育・研究に携わらせていただいている立場として、行政との信頼関係を大切にし、産業界や他大学・研究機関とも協力し、教材の多言語化やVR技術の活用といった教育の広がりを目指すとともに、研究の継続と知見の蓄積を通じ、被害の軽減や迅速な復興、地域防災力の向上に貢献していきたいと考えています。