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アニマルウェルフェア、動物福祉、家畜行動、家畜管理、ヒトと動物の関係

アニマルウェルフェアに配慮したヒトにも家畜にも優しい畜産

深澤 充

食産業学群

深澤 充

Fukasawa Michiru

教授/博士(農学)

研究内容・実践活動

アニマルウェルフェア(以下、AW)は、1960年代の英国で生まれた概念で、動物が快適に、その動物「らしく」生きられるように配慮した飼育管理を目指す考え方です。近年では、AWの改善が動物の健康や生産性の向上にもつながることが科学的に示されており、AWへの取り組みは国際的に重要視されています。日本においても、農林水産省が2023年7月に「アニマルウェルフェアに関する新たな指針」を公表し、畜産現場における改善が進められています。

AWを実現する上で、人と家畜の良好な関係づくりは極めて重要です。日々の接し方や取り扱いによって、家畜が人に対して安心感を持てるようになれば、管理時のストレスが軽減され、落ち着いた行動が促されます。その結果、作業の安全性や効率も高まり、省力化にも寄与します。また、こうした関係は飼育者自身の精神的負担を和らげ、仕事への満足度ややりがいの向上にもつながると考えられています。

乳牛

乳牛

肉牛(繁殖)

肉牛(繁殖)

肉牛(肥育)

肉牛(肥育)

産学官連携の可能性

畜産現場(特にウシ)では、農林水産省の指針に基づき、飼育現場のアニマルウェルフェアの状態を点検・評価し、指針に適応した飼育環境の改善計画を共同で検討・策定することができます。さらに、従業員教育の一環として、ヒトと家畜の良好な関係構築に向けた出前授業を実施し、現場での理解と実践をサポートできます。

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